「妻を殺してもバレない確率」感想

「妻を殺してもバレない確率」感想/宝島社文庫
桜川ヒロ著

 これ昨年の夏コミに行く新幹線の中で読んでたんですけど号泣して読んでて隣に座ってたおじさんは確実に気味悪がってたと思う申し訳ない!
 てなもんで、かなりガッツリ泣きました。ぐっとくる話ばっかしでよおおお涙腺弱々の私はもう耐えられんかったよおおお。
 1話目。タイトルのお話。諸事情にてくさってしまった主人公の心情の機微と揺れをそれはもう繊細に描かれておる。眼鏡かけてるだけでもポイント高過ぎなのに、好きでもない(と本人は言っておるが)奥さんをかばうというか奥さんの父親に豪語した言葉が格好良過ぎて落ちた。ほれてまうやろー!私が!
 2話目。主人公「解せぬ」 爽やか系のお話。振り回される男子学生はなぜこんなに愛おしいのか。
 3話目。読みながら泣いてなかったところがない。わたしはよおおおこういう若い子が辛い話本当に弱くてよおおお。ツンデレ素晴らしいかよ。
 4話目。泣く。あなたはあなたのことが嫌いかもしれんけど、わたしはあなたのことが格好いいと思うでええ。
 5話目。全作品中一二を争うくらい好き。場面場面の全てがもう輝いてて素晴らしすぎる。振り回される男子学生は(以下略)。てかーラストが!ラストシーンが!伏線うますぎる。
 6話目。オチ最高です。
 7話目。総まとめ会。女子トークたのしい大好き。

 どの話においても殿方の性格根っこイケメンですごい好みでした。でも決してハンコではなく個性豊かで楽しかったです。あと設定の凝った部分と日常の部分との緩急が素晴らしい。登場人物たちの心情を時にそのままに、時に読者にそっとわからせるように絶妙に書かれてるんです。それと別の話で前のネタとか登場人物とかポロっと出てくるのも楽しかったです。いい話でした~。

 おでかけシーンも楽しい一作。

「花嫁になる条件」感想

「花嫁になる条件」感想/ハーレクインセレクト
ジュリア・ジェイムズ著

 はっきり言ってタイトル全然響いてこねえな、って思ってたのに読み終わってタイトル見返したらすげえ!こんなに端的で素晴らしいタイトル無い!ってめっちゃ感動してる。あと、何度か言っておるんですけどあらすじでシレーっと重大なネタバレ書くのはどうかと、とも最近まで思ってたりもしたんですけど、アマゾンさんの書評とか見てたら「◯◯は私にとっては重要事項なのであらすじに書いてくれ」ってコメントがあったりして、私としてはそこあらすじに書いちゃったら面白さ半減しない???って思う部分なんですが、でもハーレクインさんもこれまでそういう意見聞いてからのあのあらすじなのかもしれないんで、この辺なかなか難しいですね。
 で、今作なんですが、ジュリア・ジェイムズ得意の「ヒロインの秘密がわかってからのヒーローのデレ」が素敵に描かれてまして安定の内容。そしてヒーローがね、ジュリア・ジェイムズのヒーローにたま~にある、思わず苦笑してしまうヒーロー像も健在でしてね。そういう意味でもかなり安定のおはなし。いや、わかるよ。見た目重要だよね。味は一緒でも食材も見た目で選んじゃうし、ミバの悪いのはちょっとお値段お安くなったりもするもんね、見た目重要よ。でも、ヒロインがめっちゃ美人って分かってから、デレ度が酷すぎる。なんだあのデレっぷりは。孫を抱き上げた海◯雄▲か! 目をうっとりさせてヒロインを見つめるな!こっちが笑ってしまう!もちろん大変身前にヒロインのいいところに気付いた描写あったよ!?でも!好みの美人になったからって手のひらを返したように全力で口説くな!笑うからやめて!いや好きだけれども!そういう殿方も!ネタ的に!
 ラストの展開もああいう組み方好きなんでよいねえよいねえ~とホクホクしながら読了しました。
 ヒーローのしでかしたことはヒロインにしわよせが行ってる分、やっぱ褒められないかもですけど、ロマンスの展開としては非常にツボついてくるんでよいよね~って。そして最後にタイトル読み返して、このタイトルの素晴らしさよ、ってなる。

人は見た目が9割って……知ってたけど、うん知ってたけど!ってなった一作。

「淫獣愛 私の心を奪った男」感想

「淫獣愛 私の心を奪った男」感想/オパール文庫
佐木ささめ著

 ロマンス界には土下座ヒーローというカテゴリが存在して、しかし今作はいわゆる土下座ヒーローとはちょこっとニュアンスが違う部分もあるんですが、ヒロインに対して相当アカーン!ということを仕出かしてる内容にはなっとるんですよ、ええ。で、ですね。内容でもヒロインがものっそい恐ろしい目に遭ってるんですけど、そこは非常にわかるというかむしろ洗練された文章でヒロインの恐怖を深く描いてはってじわじわと怖さも感じれるすごい文章だったんですよ。で、何か言いたいかというと、しゅげえドキドキしながら読んでましてね、ものすごい楽しんでしまいましてね。ヒロインが辛い目にあってんのに……むしろヒロインへ土下座するんは私ですよ土下座読者。
 おおお…お……お、面白かった。もうあらかじめな部分でないですが一応ここで申しておきますと、そういうレーベルなんで、それを知って踏まえてむしろそれを期待して読んでるんで、いろいろ冷静になればアカーン!ということにもなる方もおると思うんですが、フィクションのダーク系にてこの現代物のTLは素晴らしかったです。ヒロインの恐怖とか葛藤とか冷静かつ深く情熱的に描かれててですね!文章もすげえ鋭利!って感じのえぐり方素晴らしい。でもね!ヒロインとヒーローの性格設定もいい。二人の不器用さがたまらん。そうなった過去の掘り下げ方もいいし、二人が出会ってどう変わっていくかもよかった!こちらダーク系のお話ですがそれいける方にはオススメしたい。
 最初のどシリアスから中盤にかけては緊張感がやや薄れるので、最後までどシリアス緊迫!でつっぱしってもらいたかった反面、ヒーローの素も見ることができてこれはこれで非常に楽しく、個人的に、本当に私個人の問題なんですがそこは葛藤。なんたって非常階段のシーンが素敵過ぎて、やっぱあそこを見るためにはあの流れだよな!とも思うので。ここは本当に私のわがまま。
 ツイッターでフォロイーさんがオススメして下さってて買ったんだよねえこちら。ありがたい。

 不器用さが愛おしい一昨。

「置き去りの恋」感想

「置き去りの恋」感想/ハーレクイン文庫
ミシェル・リード著

 私はこの「諸事情でヒロインをふしだらな悪女だと思い込んでいたがいざ一線を超えてしまったらヒロイン未経験だったんで動揺しまくるヒーローもの」が大好きでして。「シークレットベビー」とか「夫婦再燃」とか「シンデレラ」とか端的に表せないかと毎回毎回頭を悩ませてますがいつも「諸事情でヒロインをふしだらな悪女だと思い込んでいたがいざ一線を超えてしまったらヒロイン未経験だったんで動揺しまくるヒーローもの」と呼んでる。長い。
 ということで今作は「諸事情でヒロインをふしだらな悪女だと思い込んでいたがいざ一線を超えてしまったらヒロイン未経験だったんで動揺しまくるヒーローもの」なんですが(長い)、ミシェル・リード好きだしこの設定好きだしなんというか無双でしたね。読み返しまくり。しかも何度か感情揺さぶられて泣いた。多分この話で泣くの私だけ。しかもバスの中で。ヒロインの心情を思うともう泣ける。そうせざるを得なかったヒロインに対しヒーローがそれを破ってしまうのね。偽りが消えてしまったという開放感と同時にヒロインの動揺とか嫌悪とかも非常に繊細に描かれててほんっといいシーンなんですよ。ヒーローもおもいっきし動揺してて、こっちはどちらかといえば態度の描写でそれがわかるんですけど、それがまた読者にカタルシスを与えてくれる。いいんですよ~。
 出会いが最低で互いの思いがすれ違ってて、こじれて、最後には全てほぐれてあああ~ってほっとする感じが本当すき。読んでて楽しいです。ラストのヒロインの思いやりと、それをあっけなく超えちゃうヒーローの強さが最高でした。あの下りいいわ~。好きだわ~。
 しかしなあ。いや確かに、ヒーローは膝下全部海に浸かってしまってたから、その流れが妥当なのかもしれないけど、でも、やっぱり、ズボンとブリーフ脱いで下半身全部露出したままバスルーム行ってバスタオル取ってきてそれからシャツ脱いで全裸になるコースは、想像したらどうしてもフくからやめて……でもすき……

人は見たいようにしか見ない(だから気にしない)という一昨。

「雪煙チェイス」感想

「雪煙チェイス」感想/実業之日本社文庫
東野圭吾著

 誰にも頼まれてないけど、ロマンス部分から語るとするとですね(本作はサスペンスです)、今作!今作とうとう!!!!!出た!!!!!先生!ありがとうございます!こんながっつりくると思ってなくて!読みながら!夢かと!夢みてるのかと!
 いやーあれなの?こういう話って編集さんから恋愛ネタも入れましょうよとか言われてるの?違うの?東野先生の趣味なの?そうなの?いやほんとありがとうございます楽しんでますロマンスを。
 最初はね、最初は「げっこんなエンドなの?つらみ」とか思ってたんですよ。で、終盤の展開でそうくるんかと!あの伏線がこうなるんかと!美しすぎる!なんという切ないエンド!とか思ってたら奥さん!どんでん返しですよ!ロマンス!ロマンスの話してるのよ私サスペンスの小説なのに!てなもんで!ラスト!口喧嘩!尊い!!!!!待ってた!和式挙げちゃえよ!末長くもげろ!幸せにな!!!!!

 てなもんで、安定のサスペンスです(とってつけ)。今作はちょっとドタバタ気味で、これでもかこれでもかと重ねてくるのが面白かった。

ひとんちのもん勝手に持って帰ったらあかんて何度言ったらわかるの!ごめんなさい一回です!一回でもあかん!てな一作。

「蜜月の花嫁と青い花~狼は愛をささやく~」感想

「蜜月の花嫁と青い花~狼は愛をささやく~」感想/夢中文庫
さえき巴菜著

 モフモフ……それは危険な沼……一度迷い込んだらつま先がホニャララのデンジャーゾーン。嵌ったら出られないんだろうなーと思ってちょっぴし避け気味の私ですが、やっぱり読んだら楽しいです。モフモフ。
 ということで魔術師妹のヒロインがモフモフ一族に嫁ぐ話で、ヒロインの方は憧れの相手なので心踊らせてヒーローの故郷へ向かうところから始まるんですね。読者にもこうドキドキワクワクが伝わってくる、相変わらず鮮やかな筆使いで綴られてる内容です。
 しかしヒーローの様子がおかしい、てなもんでいろいろ陰謀も渦巻き細かい設定も生き、二人の間がギクシャクして、謎の尻尾も掴みかけて、えええええ~って急展開で進む感じで、今作も楽しかったです。すれ違いの設定も、それぞれの思いも明らかになってくの、素敵です。ストレスもなくもりもり読めてしかもワクワク楽しい……。
 今回の無骨で不器用な感じのヒーローがたまらん……。ヒロインの為に犠牲にしようとしたものが、葛藤の末に、それを選ぶかー!てな(個人の感想ですが)切なさ?いじらしさ?が好きです。あとそのヒーローの選んだものを超えていくヒロインも芯が強くて好き。なんかこうしなやかなヒロイン、爽やかでした。
 しかし個人的に今作は某黒幕?ネタバレなんで伏せますが、あのキャラ、ああいうキャラに弱過ぎる拙者は、かの人物を主役にして物語を紡いて頂きたく、読了してから悶えておる所存。ダメー!ああいう人私の前に出しちゃダメー!幸せにしたい会発足するからダメー!!!脳内補完して同人誌出しちゃうからダメー!!!!!

ヒロインの変身シーンが美しい一昨。

「収監城の公爵と囚われの王女」感想

「収監城の公爵と囚われの王女~甘美な交換条件~」感想/夢中文庫
さえき巴菜著

 場面のひとつひとつが美しい。北国であろう、静謐とした寒さも、ヒロインの凛とした佇まいと、彼女の感じる寂寥さえも鮮やかに描かれている。そしてもちろん、冷徹と見せたヒーローの奥に燻る情熱と、それが暴かれた瞬間からの一連の挙動も、険しい山野に脈打つ滝のように雄々しく爽やかである。
 とかなんとか言っておりますが、まあ萌えました。しゅげえ好き……わ、わたし今回みたいな気位のたっかいお嬢さんが素直になれなくて墓穴掘ってちょっとえっちい雰囲気になる展開しゅげえ好き……やばいどストライクやばい大谷選手かよやばい全盛期のイチローでさえ返せるのってくらい剛速球やばい。
 あれですわ(どれだ)。ヒーローの行動がまたいちいち絵にしたくて困る。ヒロインのくせっけ髪の毛一筋手に取って(てかこの以前の展開もウハウハなんですが)ヒロインの目見たまま髪に口付けるとか誰だ!こんな心臓止まりそうになるくらいのド萌え行動を教えたのは誰だ!こっちは萌え死にそうになるのをホイミ唱えまくってなんとか生きてるていたらくよ!MP足りねえよ!
 なのに!なのにですよ奥さん!今作のヒーローは!ラストに!こともあろうにあんなセリフ!!!ネタバレになるから言えないけど!あのセリフは!素敵すぎる!あんな短いセリフだけで!殿方の思いを全て表すなんて!最高!最高か!!!ホイミでは生きていけない!誰か!誰かザオリクを!!!!!

 かゆ

 うま

 んまあそんなわけで私はゾンビとして続きを読んだわけですが、楽しゅうございました。髪をかきあげるヒーローを見て、そんなヒーローにドキドキしてるヒロインのかわゆさを見て、最初の数ページでまあ「あ、これは萌え死ぬ」って知ってたけど。「ばば様、みんな萌えしぬの?」「さだめならね」

策士策に溺れるとみせかけ(ネタバレなので伏せ)な一昨。