「雲神様の箱」感想

「雲神様の箱」感想/角川文庫
円堂豆子著

 ヒロイン(※ヒロイン言うてますけど今作のヒロインはヒーローとほぼ同義だと思って欲しい)の境遇にヒロインと一緒に「なんでや」とキレ散らかしたくなる序盤でしたね。
 いやもう本当になんでや。←言い方が荒いですが、むろん作中で何故にヒロインがあそこまで辛い境遇に陥っているかは明確にされておりまして。慣わしでこうと言ったらこう!という、すっごい明確な理由でなく昔からそうだったんでお前もそう、とかもうヒロインからしたらどういうことやねん、と思う場所でヒロインは育てられてるわけですよね。おりしも今問題になっておる人種差別に近いものがある。しかしヒロインがいくら声を上げても忌みの存在はヒロイン一人で、おそ松さんレベルならもう少しなんとかなったかも知れないけど、真面目な話その空間であったら唯一明確な異端でさ。他大勢からしたら格好の生け贄であって憂さ晴らしでさ。絶対に反撃されない位置で他の一族は平気でヒロインのこと虐げるのね。だって一族曰くヒロインが悪いんだもん。絶対的正義ですよ。本当に怖い。そんな境遇でも負けないヒロインだったんですが、ヒロインの双子の姉がね、とどめを刺すのね。すごいねあの台詞。無知が放つ言葉の無垢さ?知らないことがいかに強いかを、知っているものが聞いてどんぞこに突き落とすのね。いやしかしここ、どうもまだ伏線が隠されている気もするんで、まだ断定ができないんですけど、でも最初で灯りとか持ってきてくれた姉が、腹立ちつつも自分を気にかけてくれてると思ってた姉が、全く自分のことなんて理解してなかったんだとヒロインが知ってしまうあの瞬間は残酷ですが、同時にヒロインも姉のことを全く理解してなかったと分かってしまっていろいろ辛い。
 ということで完全に折れた状態で身代わりとして住んでいるところをいきなり出されるわけですよ。で、ヒーローと出会う。ここでも故郷のいざこざが尾を引いてヒロインがしょっぱなから辛い目に遭う。
 しかもアイデンティティーの力も、故郷で必死に生きるために、認めて貰うために身につけてた力も勝手に無くされてる。でもってその無くしやがった相手に俺を守れとか言われる。どないせえと。最終的にヒロインはもう勘弁してくれと言う。まだ若いヒロインにそんなことを言わせる周りの理不尽さにイライラしつつも、しかしヒロインがもうそこまで諦観して、だったらもう捨て置けと言うあの場面に爽快感など覚えてしまう。私としては、そんな崖っぷちに立たされているヒロインの最後の抵抗にカタルシスを感じる自分にも後ろ暗さを思いつつも、よく言ってやった!と喝采を送ってしまうんですよね、切ない。
 だがしかしヒロインが連れてこられた場所は、生まれより能力主義なところが強く、ヒーローが目をかけてるのもあってヒロインが仲間として受け入れられていく。その彼女の心情が後半とても瑞々しく描かれてて良いです。
 先述しましたが、どうもまだ伏線がいくつか残っているような気がしつつ、でもこれで終わり?って思っておりましたら2が出るとのことで。続きも楽しみです。

信頼プライスレスな一作。

「別れても愛しくて」感想

「別れても愛しくて」感想/ハーレクインロマンス
ペニー・ジョーダン著

 とうとうなんでそんなに頑ななんだよと思っていたら脳内で勝手に先を予測していたらしく、予測は当たっていたんですが私がおかしいと思っていた時点ではまだヒロインは誤解している状態だったという事態になりました。
 いやだってさあラブラブやった主役二人が突然ヒーローから別れを告げたってしかも他に好きな女ができたってもう100%狂言やん?そこで実はヒーローに重い病気があったって再会して知ったとするやん?だったらもう普通ならヒロインそこで察すると思うやん?まさか他の女のところに走ってから病気が判明したんやなってそう思うか?思うか?……思うのか……そうか……。
 正直、以前に読んだ気もするんだけれども検索してもひっかかって来なかったんで読んでないんだと思う……思うけど本当に心の底から自信が無い。

 ということで夫婦再燃もの変化球版なんですが、ええ面白かったです。夫婦再燃ものというだけでもう前のめりになる自分には単純にご褒美な一作でした。ヒーローとヒロインは当事者なんでうだうだ(言い方)と「あああ好きなんだけどさああああ!」と悶えておるわけですが、すでにいい年になっている娘からしたら、知った父親が地位も財力もある未婚のイケメンナイスガイだったら「お前らくっついちまえよ」となるのは当然ですわな。実際作中でヒーローとヒロインが(またも)一線を越えてしまい、ヒロインの家のベッドで微睡んでいるところにヒロインの娘が突然戻ってきて戸を開けるわけですよ。もうお約束過ぎてハイ来た!待ってたよそのシーン待ってた!ハイオッケー! 二人の娘大喜びで「マジかよ完全に裏かかれたわこの役者め〜(超訳)」って両親を冷やかすこの場面、個人的今作ベスト場面です。本当にありがとうございます。若いうちに別れてしまったカップルが再会して成人間近の子供に冷やかされる場面のおいしさをもっと伝えたい。楽しい。
 91年の作品なのですね。作中の病気が架空のものなのか実際にあるものなのか分かりませんが、今ではもっと進んだ治療方法があるといいですねえ。

案ずるより産むが易しかもしれない一作。

「秘めた情事が終わるとき」感想

「秘めた情事が終わるとき」感想/二見文庫
コリーン・フーヴァー著

 単純に読んだ時期が悪かったとしか言いようがないんで、本日の感想は本当に恨み節なんで申し訳ない。

 いやね?翻訳ロマンスが厳しい時代でね、SNSでさかんに翻訳ロマンスは女性が強くて最後はハッピーエンドで幸せになれる世界だよ!って皆さんが言ってるときに、同時にこの作品も発売からそれなりに経つのにまだ結構話題に上がってるこのとき、じゃあ翻訳ロマンス読んだことないけど、ハッピーエンド読んで幸せな気分に浸ろうかってなったときに話題に上がってるこの本読んだら、私なら確実に絶望するし翻訳ロマンスに偏見を持つ。

 てなもんで読了したときに開口一番「あ゛あ゛?」とキレ気味に言い放ったワイ。

 でも作品としてはかなり引き込まれて面白かった。ロマンスと言ってくれるなと思ったけど面白かった。いやロマンスの定義詳しくないけど。

 ここから盛大なネタバレを含む勝手な考察になります。

 読み落としているかも知れないんで可能なら読み終えている諸姉の方々に「そこはそうじゃないよ」と指摘してもらうの待ちでもあるんですが、最後までジェレミーさんが(ヒーローって言いたくない)ローウェンさんを引き継ぐ作家として選んだ理由が分からなかったんで、個人的にジェレミーさん最大の黒幕説を推したい。
 だって出だしからもうあんまりあり得なくない?そんな親切にできる?あのときからもうジェレミーさんが仕組んでた感しかない。ヴェリティさんの日記も全部仕込み。いや文字を書いたのはヴェリティさん自身かもしれん。でもジェレミーさんはヴェリティさんのその作品を書くための練習と知ってからの……というのは……どうだろう。子供ができてからもう妻に飽きていたのはジェレミーさんで、もうすでにどこかで見たローウェンさんに心が向かっていた。もうなんなら最初の事故も仕込みでいい。
 あとローウェンさんの身の上も語る必要あったんか?という感じで、むしろローウェンさんのそういう寂しさにつけこんでジェレミーさんがローウェンさんを手に入れたく話をさせた。彼こそ只一人「クロニクス」だったのでは?
 いやそんな考察全員思ってるで、って鼻で笑われそうな気もしなくもない。

(同日追記)
 ここまで書いて一旦保存してアップしたんですけど、この私の考察はアレだ。「誰も悪くなかったのに」という最大の理不尽から逃れたい私の心の防御だったわ多分……。

 そしてこれは言える。
 話も面白かったですが邦題も素晴らしい。

人は過ちを犯すしなんなら罪に転げ落ちてくものという一作。

「ロイヤル・シークレット」感想

「ロイヤル・シークレット」感想/モノクロームロマンス
ライラ・ペース著

 この手の、というかこの題材を扱っている作品が出ると必ず引き合いに出すネタがあるんですよ。Mr.ビーンってイギリスのコメディドラマがあるじゃないですか。あれの某一話にて、主役のビーンさんが壁に何かをひっかけるために壁に釘を打つ場面が出るんすよ。で、壁が薄くてですね、隣人の部屋の壁に釘が突き抜けるんですけど、ちょうどその場所に隣人はエリザベス女王(かもしくは王族のどなたか)のポスターを飾っててですね、その女王の顔というかみけん?に釘が刺さるというネタでしてね。日本だと絶対にそんなネタで民放ドラマ作れないんですが、イギリスだともうそのくらいやっちゃう。でもイギリス国民は多分王族に敬意を払ってないかといえばそういうこともなく、何年か前に某王族の次男様が全裸でヒャッハーしているところをパパラッチに撮られたら、軍に属している方々がこぞって王子に続け!ってSNSで全裸写真を投稿してはって。100%見習いたいわけではないですが、国民と王族が日本よりはちょっと近い?感じがするのもいいなあと思ってるんですよ。
 てなもんで今作はイギリス皇太子が主役で、BLなんすよ。もうなんつーがこれまた日本の皇族が同じ設定でBL小説国内で出せる?つったらもう100%NO!!!でしょ。でも海外でならいける。ここは正直に言うと不敬かも知れないけど、海外の作家さん、日本を舞台で皇族で男女でも男子男子でも女子女子でも対無機物でもいけると思うので書いて欲しい。日本人は無理なので。

 もちろん今作の英皇太子も身分こそリアルですがもちろんフィクションでして、家系も史実と重なるところ全く無し、純然たるフィクション。でも苦悩がリアル。相手の主役は本当にもう全くの民間人で偶然出会って恋に落ちてしまった二人が、ちょっと行き違いがあって険悪なまま一旦音信不通になるんですが、また民間人の彼の方が機会があって王子に近づくんですね。民間人の彼の方はイギリス人でないんで、王子に対してなんでカミングアウトしないの?って素で聞いちゃう。この辺日本人の私らからすると「おいおいおいおいそんな簡単に言ってやるなよ!てか君コラムニストやのにそんなこと言っちゃう!?」って割と引くんではないかと思ったりもしたんですが、案の定王子が静か〜にキレてて「ですよね」ってなる。一旦ここで民間人の彼も政治的側面に気付き謝罪するんですが、後にさらに王子の彼がカミングアウトすることの難しさを、彼と親しくなることで察していくわけなんですよ。ラブラブな面もあったけど背後にどこか苦いものを含みながら進む時間と仲。待ってくれない時間。彼の環境がじわじわ変化していき、ラストに王子はある決断をし、民間人の彼と別れる決心も同時にせざるを得ない状況になったんですが。
 いや終盤のあれ、バスの中で読みましたけど泣いた。そう来るか、なるほど。いいんだけど、いや嬉しいんだけど、これは……!というラスト。そしてまさかの

つづく!!!!!

 マジかよ続きすんげえ気になるんですけどマジかよ。
 いやあああああん面白かった。あたしゃこういう地位とか自分の責務とかがっちり理解して苦悩するキャラがもう本当に大好物なの!ありがてえ!相手のキャラもいい。クールにみせかけ情熱的でちょと斜に構えて傷もあって……なんだバッチリ好みやったわ。てなもんでええ!いい話でしたし続きはよ!てなってます。
 願わくば二人で一緒にいられる、かなり制限された生活になるのであろうけど、それでも二人で幸せなことがあったら笑い合える生活が今後待っていますように。そして作中にて暴力を受けてしまったかの少年の希望となりますように。

 あと発売同時くらいに買って積んでたんですけど表紙がかなり色っぽかった(現在完了)のを読む直前に気付いた。

美しくも儚い、と見せかけ深い愛がまだ止まらない一作。

「夏の離宮 叛獄の王子外伝」感想

「夏の離宮 叛獄の王子外伝」感想/モノクロームロマンス
C・S・パキャット著

 殺伐とした三部作の表紙から一転。えっらいラブラブな表紙で大変目が嬉しい状態です!わあい!でも挿絵は無いんですね!さびしい!!!
 てなもんで短編集です。大変楽しゅうございました。

「夏の離宮」
 タイトルにもなってる外伝の代表作。最初から最後まで隅から隅まで細部に至るまで容赦なく寸分の隙もなくラブい。とにかくパキャット先生が思いつく限り尊いシーンを全部ぶっこんでみたのではないかと思われるほどに怒濤なまでにラブい。なんすか避暑地というか景色のいい王族のための場所のしかも東屋みたいなところで普段きっちり隙の無い異国の格好をしている恋人が自分の国の衣装をしかも露出がいつもより格段に高いかなりフランクな衣装を着つつそれでもまだ王の顔をしていて恋人が着たのに気付かず寄ってきた人物に冷静な指示を出しているのにいざそれが恋人だと気付いたら一気にデレ(しかもスパイス程度にツンも残してる)って読点を!読点を挟め読点を!
 やばい(語彙)。ご両親への挨拶からドキッ一緒にお風呂!!?を経て満足で気怠いピロートークを重ねていたら金髪王子側の従者がさらっと呼びに来て何のためらいもなく入っていいよっていう金髪王子と恥じらいを隠せない黒髪王子って……尊死。

「色子語り」
 上手い。こういうところも本当に上手い。ビッチ系と目覚めそうな堅物組み合わせ。やばい(語彙)。本編に出てたときは「ふーん」くらいのキャラだったのにここにきて俄然キャラ立ちしてなにこの子!もう一度1巻読まないと!なにこの子!と前のめりになり完全にパキャット先生の計算通りです。
 ラストがしびれるこれ。

「春の青さはうたかたの」
 邦題が美しすぎて泣くレベル。
 本編にてジョードがデイメンに「ねえ身分高いひと抱くってどんな感じ?」って聞いて二通りの意味で答えられんわ!というややクスリの展開があったんですけど、ちょっと笑えたあの部分が切ないほどに懐かしい。あそこ読んでたときは最終的にああなるなんて全然思わなかった……。でもってここではまだ「彼」も快活に生きていてさらに切ない。またこのさらっと短い話になってるのが儚くてねえ。

「布商人チャールズの冒険」
 レイメン「七時間だ」
 そこじゃねえよ(^▽^)


読者も著者も(おそらく)楽しい一作。

「王たちの蹶起 叛獄の王子III」感想

「王たちの蹶起 叛獄の王子III」感想/モノクロームロマンス
C・S・パキャット著

 いや本当にこの作品恐ろしいわ(白目)。1作目でも十分怒濤の展開だったんですけど、2作目から3作目になってさらにボルテージ上げてくるって本当にどういうことなのか!!???
 1作目でハラハラさせておいて、2作目でほんのり〜ガッとロマンスぶっこんできて、この2作目の時点でもど萌えシーンがふんだんに盛り込まれてるというのにさらに3作目で2作目の1.5倍の萌えシーンをブチ込んでくる。しかも政治的展開込みで。いや本当にどういうことなの!!???
 しかも所々フフって、フフって笑う場面もあるんですよ。1巻ではなかった遊びも追加されてて、いや本当に(略)。

 最初からもうハラハラ兼めっちゃ映えるシーン、上手すぎる。最初からもう読者の心をわしづかんでくる。ぎゃってなる。
 黒髪王子はようやく本国に戻り旧友かつ部下に出会うんだけど、この腹心がまず遠慮が無くて、金髪王子を見た瞬間に
腹心「お前の好みどストライクやないか!(半ギレ)(超訳)」
黒髪王子「ああそうですが何か!!!!!?????(超訳)」
 のシーンでなんか笑ってしまって、二人はかなり真面目であったように思うのですがスマヌ。腹心はこれまで王子のために閨の共の世話とかしてたしつきあってた相手のこともよく知ってるから黒髪王子の好み丸わかりなんですが、主従のこういうところ本当に好き過ぎて申し訳ない。

 しかし3作目の冒頭でまたツンに戻った!と思ってた金髪王子がクライマックスにかけてだんだんデレていくのが本当にたまらん。移り変わりの書き方が神っておる。諸悪の権化の叔父との対面で、叔父に乗せられ罠に堕ちた黒髪王子を助けるために金髪王子の決断がまた切なすぎて泣けるし、さらにそれを越えてく黒髪王子の……こっちは金髪王子ほど奸計に長けてないから逆にハラハラしかしなかったんですけど……決意も素晴らしかった。
 まーたラストの劇的具合というかドラマチックさがさあ……もう……褒める語彙はもうゼロなのよ……。それからそれとなく叔父が執務室にホニャララ連れてたのみんな若干イラっとしてたらしいのにも、ここも笑うシーンでなかったけどなんかふふってなってしまった。最初も言いましたが3巻目はちょっとコメディもちらっと入ってて本当に楽しかった。元カノ今カレ対決もなかなかの見物ですた。ドレス、すごく……似合います。
 それから金髪王子がなんだかんだと健気に?努力して黒髪王子側に受け入れられていくのが王道だけどはっきり言って最高です。王子達の話なんで王道オッケーです。むしろ王道下さい!!!進め王道!!!!!

真摯に生きてたらいつか報われるとか憎さ超して可愛さ100倍とか言いたいことは多いけどやっぱりデレが尊い一作。

「高貴なる賭け 叛獄の王子II」感想

「高貴なる賭け 叛獄の王子II」感想/モノクロームロマンス
C・S・パキャット著

 1巻からある意味お互いを意識しまくっていた主役二人でしたが、1巻の後半からベクトルが変化していき黒髪の王子が「奴隷」という立場から少しだけ脱した場面で続く!になってページを開いた2巻なんですが。
 「ちょ、待てよ(ホリ)」と思わず呟いた序盤。金髪王子の見せ場がババンと、ババンと!1巻でどうも堕落しきった甘やかされた王子ポジを見せつけていたのは伏線だったらしく見事な払拭ぶり。とってつもなくイケメンぶりを惜しげも無くババンと出してきたよコレ。
 てなもんで金髪王子の評価が黒髪王子の中でも読者の中でもうなぎのぼりになった序盤で、そこでひゃあ〜すっとするう〜(しかも再登場するで、という分かりやすい伏線も残していく手腕!)とテンション上げさせておいてからの二人の隠密行動。
 なんですが。
 一言で言うとヤバい(語彙)。
 まって距離感と空気感待って何コレ二人の距離感が絶妙すぎて尊いというかため息出たマジで出た。放心して浸ったわ。すっげえですなこの宿屋で語る二人のシーン!6章の空気感と王子たちが紡ぐ言葉の繊細さと深さよ……。ほんとここのシーン好き……。意表を突かれて戸惑う金髪王子、ここで彼は実はちょっと動揺していたのかある重大な失言をかましていたんですが(多分)、さらに金髪王子の重ねた言葉で黒髪王子も動揺してしまう。またその金髪王子の言葉がええんですよええ素晴らしいんですよ彼らしい賛辞……。ほんっとこのシーン最高……。
 でもってそのあとのお約束のようないちゃつき?ドタバタシーンが来るんですわ。いっやパキャット先生は緩急と萌えツボを心得すぎでしょウワワワワワワ。
 なんですが!一旦近くなった?と思った距離も金髪王子の叔父やら金髪王子自身の葛藤やらでなっかなか順調には二人の仲は進まず!特にあれだ叔父のやることが「ええええええそそそそそそんなのアリなの?」って感じで裏目に出たり出なかったりでもうなんなんだよ!と変なキレ?を見せる私でしたが、ものすごい盛り上がりを見せながらすっげえ場面で「続く!」てなってた。私は2巻と3巻を同時に買ったんで事なきを得たがこれ発売日と同時に買ってたら「続きはよ!」と叫んでいたかも知れん。
 てか主役二人の王子の性格設定がさあ、素晴らしいよね。何を考えてるのかさっぱり分からん冷徹な金髪王子と熱血で懐に入った人間をこよなく愛してしまう黒髪王子。
 この作品、男二人が主役でなければならんかったのがすごく理解できて映えまくってる。さらに上手い設定で性別についてはいい意味で深く考えなくてよくて、ヒストリカルBLの金字塔となる内容だと思う。

つかず離れずからくっついて離れそうになった一作。