「鉄仮面弁護士がウブな理由」感想

「鉄仮面弁護士がウブな理由」感想/チュールキス文庫
青井千寿著

 かぁっかぁっかぁっ……かわえええええええ〜いやでもどちらかといえばしっとり系の年齢にはなってるんですけど、いやむしろそれ故か!なにこの二人かっかわいい!かわいいんですけどぉ!
 と身悶えしながら読んでおりました。再会ものロマンス。もうとにかく主役二人が可愛い愛おしい。幼い恋でも真剣だった二人が、ヒーローの進学に合わせ一旦別れてしまい、そして大人になって偶然再会して再び花開く恋。てなもんで年齢層若干上目のもはや分別もついた二人が、でも若いときに培った愛情そのままに惹かれあってるからね!もうね!かわええのよ!くどいけどめっさ可愛い!これしか言ってないな!語彙!?知らん!
 最初の元凶はお友達のいらん一言で、お互い意地をはってしまうところのすれ違いからの!誤解が溶けるあの瞬間の爽快感!シーブリンスか!夏ですね!すんません発売されたの昨年秋!どんだけ本積んでるの!?いや私はまだマシなほうだから!多分!!!
 そんなんで仕事はできるのに思い違いからちょと不器用な恋になっちゃってる大人二人が可愛すぎて笑みが溢れるのは仕様です。バス内で読むのは危険でしたが読みました。えっちなシーンも真顔で堂々と読んでおります。楽しかったです。そういうちょと苦くこじれた部分も入ってる甘い濃厚ロマンスなんですが、相変わらずこちらの作者様は細かい部分へのこだわりがハンパないですな。至る所に小ネタが散りばめられてて毎回どんだけ取材というか調べ物されてはるんだろうとほんと感心します。
 あとねヒーローの「○○なめんな(ネタバレにつき伏せ字)」のセリフいいよね。すげえ好き。

初心忘るべからずという一作。

「緊縛の檻」感想

「緊縛の檻」感想/ソーニャ文庫
泉野ジュール著

 悪いけどヒーローがロシア人ぽいだけでテンション上がる。頑固一徹でミステリアスで存在がもう淫美(ロシア人に謝れ)。
 そんな!わけで!影のあるおそロシア人ヒーローが!無垢な!ヒロインを!タイトル通り!な展開になるんですが。
 エロいよね(ほくそ笑み)。
 こちらの作家さんのお話は西洋ファンタジー系の冒険ありロマンスをいくつか拝読しましたが、今作は近代?になるんですかね?世界風の一昨。ファンタジーな要素は一切無し。ですが個人的に「オークション」「娼館」「縛り」という設定がどこかしら異世界風な要素がある、気がしておりまして、なかなかにファンタジーな空気も楽しめる内容になっておるのではないかと。あくまで個人の感想ですが。
 泉野さんの産み出すヒーローは苛烈な情愛をガッツんガッツんヒロインと読者に見せ付けてくれますが今回も素敵にご披露下さいます。いいよね!んもうこういう狼!て感じの深くてちょっと重いまでの愛。つがいを一生愛しますが!という態を微塵も隠さない潔さ。さらに今回はヒーローがそういう道?に進んだ過去もあんまり甘くはないネタにはなっておりますが物語に深みを与えておるのではないかと。あと勝手にニヤニヤして読んでましたがヒーローの外観とか動作とかの描写に、上品に言えば、今作はより色がより深く表現されておった気が、ダイレクトに言うと歩いただけでエロいな!て思ってました。
 ヒロインもよかですよ。なんというか無垢なヒロインが開眼して深みにハマっていく過程を読んでる背徳感!好きだ!
 あと忘れてはいけないのがヒーローの秘書!申し訳ない私のために!!!やめてその見た目と性格で隙あらば愛称で呼ぶのはやめて堕ちるから!
 最後に完全な好みなんですけどタイトルが簡潔で渋くてしかも内容にも合致して硬さの中にそこはかとない妖艶さも混ざらせててすごいと思いました。

お金で買えない価値がある、買えるものは貯金で、な一作。

「ギリシア名家の遺産」感想

「ギリシア名家の遺産」感想/ハーレクインセレクト
ジュリア・ジェイムズ著

 ジュリア・ジェイムズの「実はヒロインには重大な秘密があり」って構成が個人的にはツボにはまることが多くて、そのカタルシスが好きでよく読んでおりますが、でもって今作もそれがあって非常に楽しい内容なんです。が、ジュリア・ジェイムズは「ものっそい貧相な女子に見えたけど手を入れたら超絶美女に変身」て展開もよくやってて、まあ「華麗に変身」てジャンルがあるくらいなんでジュリア・ジェイムズに限らずよくあってかつ愛されてる設定なんですけど、何が笑えるって、ジュリア・ジェイムズのヒーローって、ほぼ毎回「あまりにも酷い外見なんでちょっと俺の財力で磨いてやろう→あ、でも手を入れても全然変わらんかったらどう慰めたらええのや→ヒロイン登場→あばばばばばばbなにめっさ美人うわあああああええええ(陥落)」というヒーローの上から目線手入れからの美人判明手のひら返しの振り幅がすごい。十三人の刺客の主役甥である島田新六郎と実写映画の荒川アンダー ザ ブリッジの星を演じた山田孝之ぐらいの振り幅。なんというか「ここときめくシーンですよ!」ってアピールかもしれないですけど申し訳ない毎回笑う。如実に笑う(イミフ)。
 いやーでも前述しましたがこちらの作家さんのヒロインの謎が明らかになってからのゴタゴタとか和解とかかなり私の趣味に合致するんで、今回も楽しかったです。あとこれは本当に個人の好みに左右されるとは思うんですけど、ラストの大岡越前的な展開も好き。辛いけど愛する人物の将来を思って…ってやつ。むろん愛する人のためにガツガツ最後まで足掻くのもアリだとは思うですよ。しかし今回のようなラストもヒロインの行動も私はかなり好きですな。

ほぼ他人の二人がわけあって一緒に暮らすスーパーターボ版な一作。

「灼熱の王と美しき逃亡者」感想

「灼熱の王と美しき逃亡者」感想/ハーレクインロマンス
アビー・グリーン著

 さすがに今回のタイトルは若干盛ってる感が拭えないですが、まあ逃亡者ですわな。てか二人ともある意味逃亡者でしたね。
 ということでこないだのシークもの「孤高の王のあやまち」のスピンオフです。前作から「はいっこの人次のヒーローですよ!これ試験に出ますよ!」という登場でして、その前作ですでにダウナーな雰囲気漂わせてましたけど、ヒーローになっても案の定アンニュイ。ヒロインがしっかりせえ!(超訳)ときれることしばしでした。ヒロインの怒りも分からなくはないですよね。能力も資格もある人がしばらくはやってもいいけどもっと正式な後継者が出たら譲るんで!て言っててヒロインが失望しちゃってるパターン。なんかどっかで見たことあるなって思ったらアレだ十二国記の短編でも見たことあるやつやなって思ってヒロインのイライラに思わず共感してしまう。
 まーそんなんで、ヒロインはヒーローに惹かれつつも、なんでそんなにダウナーなん?て秘密を暴きつつ傷を癒しつつ、己のトラウマもなんとかしてしまうという私が大好物なパターンなんでまー今回もニヤニヤが止まらなかったわけですが!
 前作にちょろっと出てきたエピが今回では重要になってて、個人的にはそういうのも好きなんで美味しかったです。
 あとあれだね。アビー・グリーンさんはフェチをくすぐるのが上手いね!脱げたヒロインのパンプスを履かせるヒーローの絵面!最高!最高か!好き!いっぱいちゅき!と萌えで殴られて本望です!アビー・グリーンはアルゼンチンタンゴとかビリヤードとかバイク二人乗りとかいやもうね!がっつりツボを的確に突いてきてさすがですね!

イベントが辛くなるのぼっちにはあるある過ぎてちょっと辛かった一作

「激動の時代のなかで」感想

「激動の時代のなかで」感想/マグノリアロマンス
ローズマリー・ロジャーズ著

 みなさんお待ちかねローズマリー・ロジャーズのヒストリカルです。今回は南北戦争直前〜戦時中のアメリカが舞台。元気いっぱい天真爛漫ヒロインが歴史とヒーローに翻弄されながら成長していく大河ロマンスでした。
 そう、みなさんご存知!ローズマリー・ロジャーズのヒーローといえばはんぱない握力でヒロインのボディスを高確率でビリってくれる彼です!今回もしょっぱなからもう野性味溢れてこれはかなり破るぞ期待できるぞきた…「ビリー」
 はっや!!!!!!!!
 ちょっと今回はもう多分最短記録なんじゃないかなってくらい速攻破いてた!訳者さんのあとがき読んだら言及されててめっさ笑った!ですよね!ローズマリー・ロジャーズつったらこれよね!!!

 まああてなもんで舞台がアメリカに移ってもヒロインとヒーローの特性は通常運転でファンとしてはよき!よき!と息巻いて読んでおりましたが、すっげえですわ。ほんと大河というか激動というか起伏が激しい。あとヒロイン兄のクセが強い!……ってそんなあっ軽いレベルの問題では無かったんですけど、兄キッツイ。こういう系(キャラとして)苦手なんでんきゃああああ(瀕死)〜って読み進めてましたけどね。進むにつれこの人立てるんですよフラグを。いわゆる「ええ死に方しない」フラグたてまくるんですよ。それはそれで辛い。しかし一方で出てくるカタルシス。人間って業深いよね。
 でもってヒロイン。うん。物語を進めるためにはしゃーない。しゃーないんだけど、さあ……ちょっと後半の行動は考えなし過ぎて引いた。いや話を盛り上げるために絶対必要な行動よ、わかるの。理性ではわかるんだけどさあ……なんでそこで、この時代設定でそこまで向こう見ずになれるかな……てな部分で相当引いた。いやでも終盤のあれ見るためには必要。わかる。わかルパン3世(ツイッターで人様がバズったネタここでも使う)。とか言いながら、主役二人のケンカップル具合は非常に楽しかった。それもあってさあ、あの行動はアリっちゃーアリでさあ。
 あと今回、非常に切ない胸毛描写があって泣いた。あんな切ない胸毛!胸毛で泣く!いやほんと泣けるから!ケンカップルと胸毛が気になる方は読んでほしいです! それと続編があるらしい?のでそれも楽しみ。こんだけ蜜月になって次回またケンカップルなんかい!と笑いそうだけどそこはそのままケンカップルでいてほしい。

女は強くなるしかなかった時代の一作。

「謎めいた夜は公爵と探偵を」感想

「謎めいた夜は公爵と探偵を」感想/ベルベット文庫ヒストリカル
ケリー・ボウエン著

 初めに言っておくと私はヒストリカルがそんなに好きじゃない。特にイギリス、リージェンシーものが好きじゃない。デボラ・シモンズもクリスティーナ・ドットもエリザベス・ホイトもケリガン・バーンもローズマリー・ロジャーズも大好きだけどあの英国リージェンシー辺りのヒストリカル好きじゃない(意味不明)。
 そんな私が言う。この「チェガーレ・アンド・アソシエイツ」シリーズ、めっちゃ面白い。
 語彙?死んだ!はい死んだよ語彙死んだよ!
 面白かったです!!!!!

 深呼吸。
 ツイッターのTLで「帯」「帯www」「帯がすごい」と話題になってたんで本屋に行き私ももれなく「帯やな」って思った本だったんですけど。すげえっすわ。このダイレクトでインパクトある帯に内容全然負けてない。もうね、最初読み始めからぐいぐいくるね。容赦ねえ!ちょwwwページめくる手www止まらんwwwというツイッターの例の様式美かよ!てくらいぐいぐいくる。ミステリ入ってて謎解きも面白いし、ロマンスもいいし、何よりヒロインの有能さがたまらん!爽快感ぱねえ!ヒーローがちょっと霞む!でもこのヒロインに対しちょっとしか霞んでないヒーローむしろすごい!てかその霞み加減の塩梅がうま過ぎる!生理食塩水か!またも意味不明!!!!!
 いやすごいっすよ。伏線のうえに重ねられる伏線。そしてそれに上手く絡み合うロマンス。適度にヒロインの足を引っ張りつつ素晴らしく有能なバディであったヒーロー。ウイットに富んだ会話。魅力的な脇役たち。ええ、次回次次回の主役ですよねわかります!(次回作はよ!)4作目ヒーローは彼だろ!絶対に彼だろ!彼だと言って!!!!!!!あと妹もいつかヒロインになって!お願い!あと3作目のヒーローは彼らしいので、今作ヒーローの立場入れ替わってたしなめてやれ!3倍返しだ!
 最初に言った通りこの時代にほっとんど興味無くて、実際この時代にこういう職業とかあったのかどうか知らないんですけど、あっても無くてもこの話は素晴らしい。非常に良い!上手い。そしてもうたたみかけるような話の展開なのに決して浅くなくて良い!というかひとつひとつが練ってて意味があってすごい!語彙!無い!
 いや世のなかにはまだたくさん面白い小説がいっぱいあるね!でも私は英国リージェンシーもの好きじゃない。ツンデレか。きめえ。

存在意義を探る一作。

「夜の果てにこの愛を」感想

「夜の果てにこの愛を」感想/二見文庫
レスリー・テントラー著

 帯に「リンダ・ハワード好きならぜひ読んで」って書いてあったのと訳が石原未奈子さんなので入手しました。ちょっぴり騙された感。何故なら、リンダ・ハワードのロマサスみたいにヒーローが現役刑事だったり元軍人だったりFBIだったりカウボーイだったりスナイパーだったり

しない!!!!!!

めっちゃ一般人!上流階級!テラ普通の人!!!!!
いいかみんな!聞いてくれ!ロマサスって分かってるのにヒーローが一般人だったときの読んでる最中の恐怖感は五割増しだ!いざという時に確実にヒーローは役に立たない!(多分)むしろカンだけはいいからヒロインがピンチの時はああそうさ!確実にやってきてくれるさ!

だがそれだけだ!(暴言)

 ということでこれまためっちゃくちゃいい人ヒーローが謎のヒロインと出会って恋に落ちてトラブルに巻き込まれる話なんですが。
 ヒロイン、ヒロイン!ヒロインがなあああ~いや冷静に考えたら、そうせざるを得なかったのわからなくもないしばらく安全やったとしても出た瞬間に死ぬ!でもさあああ身分手に入れてとかそこまで頑張ったわりになんなこう!なんなこうさ!もうちょっとこうさ!いやわからくもない!物語的にはハラハラしてすげえ緊張感あった!そういう意味では面白い!でもなああああヒロイン!ヒロインがなあああ!でも個人の感想なんで!その辺りにこだわらない人ならむしろぐいぐいいける面白さだとは思う!しかし私はどうしても某所のヒロインの行動にあばばばばばとなってしまい完全に入れんかった!惜しい!
 物語的にはすげえ面白かったです。そんなんでヒロインのアレだけがどうにも受け入れられず、逆に受け入れろよ自分!とか思ってしまう。

「さがしものは慎重に、さもないと……?」という一文が冴えてる一作。