「ソプデトの涙」感想

「ソプデトの涙」感想/ロマンスヒルズコレクション
夏井由依著

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 これまでのあらすじ→「セルケトの永遠」を読んだブログ主は作中で最高級あごだしレベルのいい味を出している某登場人物がヒーローになっていると聞いて一気に読みふけったところ……

 ということで「ソプデトの涙」です。うちのATOKさんが有能すぎてソプデトと入力して変換しようとしたら「間違えて入力してるっぽいんで修正しときました」とそれっぽい日本語に変換して下さり辟易したのでメモリに刻んでやりました。むしゃむしゃしてやった。後悔していない。
 結果として「推し王」が増えたなって。夏井先生が書かれた別作品「昏暁」という作品にても若い王様が出まして、これまた彼も青いながらいい味を出しておられ私の推し王なのですが今作のヒーローも私の中で新たな推し王として君臨されました。王が多い。大丈夫か私の脳内統治できんのか。
 いやしかし夏井先生は王を、王を描かれるのが上手い。傲慢で俺様ででもヒロインには超惚れててメロメロな王。冷徹っぽいけど実は民のこととかすげえ考えてるけどやっぱ見た目クールな王。あとなにげに腰に魅力を集積させてはる王。そんなでこれはヒロイン大変やなって思う、と見せかけ!
 ヒロインがまた可憐で健気で可愛くて実はヒーローをちょい振り回し気味っていうね……おいしいあごだしおいしい……。
 そしてやっぱり密がすごい。ヒーローがふっきって二人きりになってからの空気感が密。濃い。緊張感がすごい。ヒリヒリした感じでいつ燃え上がるのかドキドキしながら読んでた。そして相変わらずの美しさと太陽のまぶしさ……エジプト行ったことないしさらにタイムトリップできない体質なので古代エジプトになるとさらに行ってないんですけど視界が美しくクリア。その中で深まっていく主役二人の愛……石油王に気に入られたら映画化するカモン石油王!
 最後のヒーローの回想シーンまで、細部まで絢爛でしっとりした恋物語でした。

 あとこのシーンの空気感が好きで描いてしまった。怒られたら消します。

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 この直後なのよ本当に観たいのはでもネタバレになるからね!

ヒロインの悲壮をヒーローが激しく優しい感情で包む一作。

「セルケトの永遠」感想

「セルケトの永遠」感想/ロマンスヒルズコレクション
夏井由依著

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 景色が鮮やかで有彩色のお話をいつも書かれる方だなあと思っておりますが、こちらも美しいです本当に……ため息が出る。シーンひとつひとつが映画観てるみたいに綺麗でああこれは4Kだなと。小説4K。

 ということで古代エジプトのロマンスです。さらっと読める短いお話なんですが密でした。今のご時世いかん!って言われるかもですが密で濃くて、ふつふつと温まっているものがいっきに沸騰する感じ。実験で言うなら沸騰石入れてないやつ。あかん!沸騰石は実験では入れて突沸を防ぐの!
 しかしまあ本当にこうじわじわじわじわと熱があるな〜ってのは分かる内容である時点で一気に噴火する。その噴火のシーン(言い方)がとてつもなくクリアでしかも鮮やか。ヒーローの焦燥がすごいビジュアル美しく表現されててはっきり言って最高でした。あのシーンは最高です。脳内で再生余裕でしかもめっちゃ繰り返し再生した。VHSテープなら確実に見過ぎで摩耗した。命拾いしたなVHS!
 ただ少々ネタバレになるんですが、仕様で(言い方)ヒロインがヒーローのことに気付かず怯えてるさなか、読者はそこそこ明確にヒーローの登場って分かるんですね。だからヒロインより先にどうしても読者がときめいてしまうんです。どうしても。ヒロインに申し訳ない気分になりますが仕様なので諦めて下さい。それにしても痛々しいほどの純愛。相思相愛両片思いで本当にお互いのことを大事に思ってる珠玉の恋愛話でした。ほんっと綺麗で好き。

 某お兄さんがいい味だしてましてあれは多分あごだしだと思うんです。もう一回見たいって思ってましたら続編でヒーローとして出るんだそうです。うは。
 感想続く。

謀策巡るなかであるひとつの秘めた恋実る一作。

「あなたとめぐり逢う予感」感想

「あなたとめぐり逢う予感」感想/二見文庫
ジュリー・ジェームズ著

 掴みが強すぎると思っていたらこれ作者さんが体験なさったんですね……ご愁傷様ですがそれでこの作品ができたのかと思うとジェームズ先生には申し訳ないが隣の宿泊客ぐっじょぶじゃね?とか思った。心の底から申し訳ない。大事なので二度言いました。

 それでもまあ最初読んでたときはふんふんくらいの緩さで読んでたんですけどね、話が過去に入って誤解があったと分かった瞬間にめっちゃ前のめりで読みました。大好物なやつでした。早く言って下さい。もっと早くに言って下さい!
 ものっそい勝ち気で口が立つヒロインなんですが、喋ってても黙ってなんか考えてても普通に面白いヒロインやった。日本にいたら確実におもろ枠に収まるヒロイン。トラウマからも立ち直ってるけど、辛いときに一緒にいてくれたお友達にもきちんと義理だてしているおっとこまえヒロイン。めっちゃキュートでハンサムなヒロイン。そしてそんなヒロインにヒーローも負けて無くてしかもそこが好きなんじゃろ?ってところもあって、でもお互い思うところもあって素直になり切れなくてキーってなってるところに事件が進展して仲も進展、よし来い!

 やっぱり!ロマサスも!良い!がっつりロマンスオンリーの話も好きだけど!こういうサスペンス入ったロマンスも良い!素晴らしい!ハー好き。

 事件の方も面白かった。しかも規模も大きすぎずでもちゃっちくもなく、個人的にすごいベストに近いベターな塩梅。毎回こういうのってのは考えるの難しいとは思うし似たり寄ったりになるのもイヤですが、でもこの辺りの事件規模犯人規模が良い感じ。良かった!
 いやしかし十年前の作品、なるほどこの手の社会問題がかなり注目もされてるし、ヒーローの言った言葉はその意図は無かったんですが怒られるわな。英語というか言葉って難しいですよね。

 シリーズとのこと!次回も楽しみにしております。

因縁の対決盛りだくさんな一作。

「大富豪と砂糖菓子の花嫁」感想

「大富豪と砂糖菓子の花嫁 ブルネッティ家の恋模様II」感想/ハーレクインロマンス
タラ・パミー著

 シリーズ二話目。前作で「なんかもうすごい聞き分け無さそうでカリスマがあっていかにも近日ヒーローになります」期待値が溢れていた某人物がヒーローでした。良し!待ってた!いかにも私好みのヒーロー候補だったんでもう万歳三唱で迎える!よく来たな勇者よ!

 そんなんで社会的地位もありイケメンで、冷酷そうなのに「子供が出来たら世話をする!」とめっちゃ高らかに宣言するヒーローが案の定ヒロインには「あなたが大好きです!!!」と言えない。お約束。言ったら3ページで終わってしまう。あとの210ページは白紙でメモにでもするんかと怒られるのでヒーローは告白しない。好きって告白したらヒーローが死ぬのでなく出版社が死ぬ。だから言わない。

 ということでもないんですが、まあこちらもトラウマがあって頑なでねえ……ごちそうですねえ……。またヒロインがきりっとしてるけど弱いところもあってそこな!それな!それが大事だからな!とこちらも声を高らかに叫ぶ訳ですよええ……楽しい。

 これはシリーズで主役二人のロマンスは1冊完結なんですが、まだ謎が残っててやっぱり「次のヒロインはあなたです!」という期待値がハンパない人が出ていたので3は彼女がヒロインなのだろう。しかも不穏な感じだったんでシリーズ全貌にて関わる事件に巻き込まれているっぽい。楽しみです。てかもう買ってる。順番がまだなだけ。この作品昨年の7月に出てるのね……積み本がね……。

兄弟そろって正直にならんかーいと怒られる一作。おとんがね。

「アイスレディ」感想

「アイスレディ」感想/ハーレクインマスターピース
ペニー・ジョーダン著

 最近読むペニー・ジョーダンのヒロインはこのトラウマが重なっている気がする、とは思いつつ、これはもう永遠に続く問題なんだろうなと諦観していたりもする。まあ人は過ちを犯すもので、それを反省して二度と同じ事をしないように、罪を犯した人間が努力するなら排除すべきではないのだろう……とか考えながら文字打ってましたけど、この諸悪の権現はさらっと物語から退場したと思いきや後から後から出てきやがって!そういうとこやぞ!

 ということでトラウマで男性が苦手なヒロインが、やっぱり男性からイヤな目に遭ってるのでそいつ避けにエスコートしてくれる人を探していたらヒーローに出会ったという話です。この手の人から受けた傷を人で癒やしてもらう系のお話は大好きで、というかそのくらいの救いくらいクレヨンとか思ってしまう派で、まあ今作もドタバタあってヒーローヒロイン間とライバル男の嫌がらせとかでこじれてキーってヒロインもヒーローもなっている。はっきり言ってこのみです!これを読むためにペニー・ジョーダンを集めてるよね!
 なんかねえ、ヒロインもヒーローもすげえ不器用なのがいいんですよ……仕事はできる恋愛行動力ゼロの人が本当にもう好き……そしてそんなロマンス小説が本当に好き。

思いつきが人生を変える一作。

「霧のぬくもり」感想

「霧のぬくもり」感想/MIRA文庫
ヘザー・グレアム著

 ロマンスは割とさらっと流す?感じで、あ付き合ったって感じで開始されたんですけどサスペンス部分ガチで面白かった。すげえ……。伏線、というかミスリード誘いまくりやん……素敵やったで。
 いやロマンスさらっとしてたな、とは思うんですけど主役二人のキャラめっちゃ良かったっす。紳士淑女の熱い思いが中でふつふつ〜というのを押さえて書いてある感が逆にエロみ深い。いいです。なんというか妄想の余地があり過ぎていい。
 うんやっぱロマンス薄めかもだけど心情とか丁寧に書いてあって感情移入しやすい。ヘザー・グレアムさんは良い!

 なんというかあっさりな感想で再読したらまた書き足したいな。

てか世界中にこっくりさんあったんだねって思った一作。

「紳士が野獣に変わる時」感想

「紳士が野獣に変わる時 ブルネッティ家の恋模様I」感想/ハーレクインロマンス
タラ・パミー著

 恥ずかしながら一部ロジックが理解できなかった部分もあったんですが(ヒロインが裏切ったか否かという告白の場所)、設定がすごく斬新でいいと思いまして、しかもこの作家さんヒロインもヒーローも言い合いバンバンするのを読んでいるのがすげえ楽しいんで、今作もかなり楽しみました。
 今作にて一番イライラハラハラしていたのは多分ヒーローの兄でしかも読者としてもわかりみが深すぎて兄に同情する。パミー先生はむしろ読者が兄に同情するんも計算の内なのではと考えている。でもってそんな兄のイライラハラハラをよそにヒーローとヒロインはいろいろ仕事しながらも愛を深めていく設定。今作は両主役がプログラマでして。洋画見てるとハッカーが結構スタイリッシュでさあ……いやソードフッシュは微妙なところやけど……いや今はそれはどうでもいいんですけど……今作もまあえっらい格好いいプログラマヒーローが登場してまして。で、その天才的頭脳で構築されたシステムの隙を付いてハッキングしたのがヒロインという設定で。ヒーローはいろいろありつつも裕福な家庭で勉強する機会があってその土台ありの天才プログラマなんですが、ヒロインの方はアングラでやってきた故に(?)野性味ある鬼才プログラマで、正直この設定だけで「よっしゃ来い!」と両腕を広げるレベル。ヒーローとヒロインのイチャイチャも良いのですが、ヒーローがヒロインを一人のプログラマとして才能を認め一緒に仕事している場面とかもすごい好きです。いいねえ。
 ところがヒロインはヒーローと恩人の間で揺れ動くことになって、ヒロインは微妙な立場になりまして。このヒーローとヒロインの話はここでハッピーエンドなんですが、副題で1と付いてるように少々伏線を残したままで2へ続くになっております。次のヒーローは兄の方。この1で解決しなかった事情も興味深くて2が楽しみです。

何を証明したかったのかという自問の一作。