「億万長者の新妻の秘密」感想

「億万長者の新妻の秘密」感想/ハーレクインロマンス
アビー・グリーン著

 なんかすっごい込み入った話だった!情報量が多い!でも面白かった!
 盛大にネタバレ込みで書きますが、ヒロインとヒーローはお互い好き合って(でも微妙に意思疎通できてなかった=お約束)結婚する気満々だったんですが、ヒロインの叔父が悪い人でヒロインを別の、もっとお金持ってる人間に嫁がせたいから二人を誘拐してヒーローを痛めつけて、このままだとヒーロー死ぬよ?って姪であるヒロインを脅して別れさせて、ヒロインは叔父の言われるがままの男性と結婚して〜という背景がある作品でして。
 ヒーロー側からしたら誘拐を企てた本人がヒロインの叔父と知らないんで、いきなり誘拐され解放されたらヒロインが別れたい、しかもお前のこと本当は好きじゃなかったねん的なことをあっけらかんと言いやがって恨み骨髄。ヒロイン側は脅された上に黒幕が叔父なんでバレてもヒーローに嫌われるしもう四面楚歌!イヤ!どう転んでも辛い!という状況。
 こんなんででもヒーローが便宜上奥さんが必要なんでヒロイン君が僕の奥さんになるんだー!ってやや脅しながら結婚に至る。それなりに突拍子もない感がある設定かも知れませんが、私的には「めっちゃ面白いやん……!!!」と感動して読んでた。設定込み入ってて(感じ方に個人差があります)どっちに転んでもヒロインが辛い!というこの状況、どう最後にどんでん返しくるか!てなところが見所だと思うんですよ。
 ヒロインもねえ自分のせいでヒーローが非道な目にあったって負い目はあるしヒーローにどう思われようとまだヒーローのこと愛しているし、でもそれ信じてもらえないし、しかも何故別れを選んだかを知られたらさらに軽蔑されるし、てなもんで、一緒にいても辛いだけで、まあいい具合にツンを見せてくれるのよ。なんですかねこのいいツンは。ロマンス小説ヒロインのツンを松竹梅でランク付けるなら今作は間違いなく「松」のツンですよ。
 そんなんでまあ過去にヒーローを誘拐した黒幕も最終的にはヒーローにバレてしまうんですが、それ以降はネタバレしまい。個人的にはすげえ好きな結びでした。ええハッピーエンドなんですけど、その過程もいいんですよねアビー・グリーン先生の作品は。

 すっげえどうでもいいネタなんですけど、富豪の自家用車の専属のドライバーを私がしていたとして、後部座席に雇い主の富豪とその恋人らしい男女が乗って、途中で後部座席にシールドを付けられたときに平常心で運転できる自信がない。全く無い。

どういう対処をしていたらヒーローヒロインが全く不幸にならずに一緒になれていたのか解決策が私には見つけられない一作。

「蒼玉のセイレーン」感想

「蒼玉のセイレーン」感想/MIRA文庫
イローナ・アンドルーズ著

 やっぱり面白い。もう最初からねえ読者の心掴むのが達者ですわ。
 シーズン2に入りましてヒロインが次女に変更になったんです。設定上仕方無いとは思うんですけど、ヒロインの性格、というか仕事への対応が前シリーズの姉みたいになってて、なんかこう個性が若干消えた感あるよなあ〜と重箱の隅を突くような感想も持ってしまった。いや仕方無いっしょどう考えてもさあ、そうしないと探偵として成り立たないんだからさあ、とオノレに突っ込みを入れつつ読んでたんですが、なんというかやっぱり面白い。
 いや仕事への向き合い方こそ同じなんですが心情は次女であるヒロインの個性が出てまして、ヒーローのことめっちゃ突っぱねてるんですがその突き放し方が、なぜそうなるのか読者は分かっている設定なんでもうねえ……なにこの可愛いツンデレ……最高じゃないっすかねえ……ここが前シリーズのヒロインとガッツリ個性出してていいんですよねえ。後にヒロインの祖母からもあなたたち三姉妹はこう、と言われてるんですがその説明がまた上手いなあ!と。
 ヒロインの能力は姉と少し似てて違う部分もあるんですが、なるほど吐かせる系の能力としてはこちらもアリだな、とこれまた感心してました。いいですねえ。長女が力業でこちらもめっちゃ格好良くて痺れるんですが、次女のもこれまた呻るほどに上手い。ネタとして「愛してるから言えない〜」と言う感じのアレなものも見てみたい気もする。なんかアンドルーズ先生はやってくれそうな気がする。

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 そしてヒーローなんですがねえ、なんすかこのハーレクインロマンスに出てきそうなイタリア人貴族は!!!???(ハーレクインロマンスです)
 日本にまだ忍者いるでしょ?くらいのノリでイタリア貴族書いてない?書いてない?書いてるよね?ウェルカムです!!!むしろ眼鏡のヒョロっとしたイタリア人貴族とか必要ないしなんならハーレクインロマンスも忍者ヒーロー出してくれて全然構わないくらい!
 いや全人類が待ってたこのイタリア人ヒーロー。インスタやってんじゃねえよ(うそですどんどん出して下さい)当然の様に旅先でオーダーメイドのスーツ用意してんじゃねえよ(さすが!)飯を作るのがうまい女性にいきなり求婚してんじゃねえよ(サイコウ!!!!!)
 いや正直前シリーズの最後でちょこっと出たときガチで坊ちゃんなんだろ?くらいにしか思って無かったしインスタフォローしたのもネタくらいに思ってたんですがねえ今作さあ何ヒロインをご飯に誘って警察呼ばれてるのねえすごい好き……めっちゃ笑った好き。こういうとこやぞ。

 てなもんで今作は設定が設定なんでヒロインとヒーローはなんかこういい雰囲気作りで終わるんじゃろ?とか思ってたんですが、なんか待ってあの場面は待って萌え尊くて死にそうなくらい萌えあのシーン素晴らしい読み返し過ぎてページもういっぱつで開くんです型がついてしまってうわあ栞?挟んだよ!
 しかしヨッシャああああああ!とガッツポーズしてたのも一瞬でしたね。ラストねえ……おおおお話盛り上げるの上手いですよね(泣きながら)。そそそそそそう来るかそう来るのか……と悶えつつ続く!となってしまって次巻出るまでもううぎゃ〜と待つしかないんで結局別のロマンス小説に手を出さざるを得ないんですよ!商売上手だな!ありがとうございます!

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ヒロインが自分に厳しい一作。おおおおおもう少し甘えさせてあげたい……。

「香港シェヘラザード」感想

「香港シェヘラザード」感想/富士見L文庫
三角くるみ著

 激辛旨カレー屋さんにて辛いカレー頼んで食べながら、分かってても言うじゃないですか「辛い」って。
 どうかそのノリで聞いて欲しいことがあります。
 えぐい。

 またまあどえらい話来ましたねえと。なんつうか私は一流大学も出てないしぼんやりだし仕事も特に上昇志向とか全く無いんですけど、それでも大雑把に、ものすごく大雑把に言うと主人公の水城さん的な立ち位置なんですよね。平和ボケしている、とりあえず警察がなんとかしてくれるんじゃね?的な甘さ?をどこか持ってる。そのぼんやりさをですねえ、しょっぱなの某お医者さんの点滴のくだりで頬をひっぱたかれる感。いやえぐい。冒頭でも言いましたがあらすじ読んだ時点でもうこのえぐさを覚悟はしていたつもりなんですけど、まさにここで主人公、水城さんが後々に味わう絶望感みたいなものと同じ視点が見られるのね……すごい設計ですこの作品。すごいっすね。私も読みながら「まあ言ってもアレでしょ?助かるんでしょ?」ってのんきに構えて読んでるところにガッツと来ましたね……。あのえぐさがあったんで、水城さんが彼とカジノで対面する場面も、ドキドキはしたけどもうある程度の覚悟はできてたのね。
 というかまあこの言い方はズルいんですけど、水城さんなんだかんだと主人公なのね、ある程度のこう保証された立ち位置みたいなものもあるじゃないですか。しかし脇役にその辺の酌量が一切無いのね。個人的に一番あの某お医者さんがね、いろいろ辛い。過去に戻れるなら絶対あそこで修正したいって仰ってたけど、過去の回想見たらあれ確実に逃げられないやつじゃないですかねえ……。でもってさいごも言わば彼女の願った通りにはなったんだけど、でも相手が救われてるかと言ったらねえ……あのお医者さんが一番しんどい。かなり頑張ってたのが空回りだったり結局憎まれたりよかれと思ってやったことが完全裏目だったり、それをしかも彼に指摘されてさあ……。そういう世界なのよね作中は。だから主役の水城さんの心情変化が映えるし生きるんだけど、そこが今作のキモなんだけど、先生視点は辛い。悪い人じゃ無かった、というか彼女なりに本当に頑張ってたので余計にさあ。なにこの先生視点での語り。先生好きだったのね私……うん。
 ということで安穏と生きてる私の腹をおもいっきり殴られたような感のあった話だったんですけど、いやあ面白かったです。たまに馳星周の「不夜城」みたいな話を読みたい衝動に駆られるときもあるんですが、今作もまあそんなノリ?でしかも話題になってたから読んだんですけどいやはやすごい話でした。面白かった。ページめくる手が止まらないやつでした。地下の銃撃戦とかそれこそうわあああああって思いながら読んでましたが、すごかったです。

ってこれで終わりなんですか本当に……?と読んだ後に呟いてしまった一作。

「皇妃エリザベートのしくじり人生やりなおし」感想

「皇妃エリザベートのしくじり人生やりなおし」感想/二見サラ文庫
江本マシメサ著

 めっちゃええ話やった……泣いた。職場で休憩時間に読んでたのに泣いた……。ええ話でした。感動した……。
 所謂(?)強くてニューゲームものなんですが、それでもそこそこヒロインの精神年齢が外見にひきずられたからか低め、六十七十ではない語り口調だったので安心した。そこはある程度若くいてくれい頼む。
 世界史と全く近寄ってない生活をしてきて今もしているので、今作の歴史的背景とか全く知らずに読んでたんですけど、ひっじょ〜に面白かったです。正直最初の霊魂でいたままの序盤はあれかな?歴史を知らない層にも分かりやすくするための処置なのかな?とか適当なことを考えてたら違った。ラスト……ねえラストでさあ、ヒロインが気付いた一回目のお互いの後悔さあ……あれ読んでからまた最初読み直すと、黙々と執政してはった陛下さあ、めっちゃ切ないやん……あそこで泣いたんですけどねえ……切ない。なんかここからは勝手妄想なんですけど、表面上はしれっと仕事してましたけど内心後悔ばっかりでさあ、ずっと中では奥さんのこと考えてて、そういう執着がヒロインを最期まで留めさせたとか思うとさあ……切なさマックスじゃないっすか……で当のヒロインには全然響いて無くてさあ……霊魂になっても「私が死んでも悲しまない」ってさ……夫は悲しすぎて全てを失って、もう泣くことすらできないほど失意の底で辛うじて生きてるのね、民と国の為に……切ない。書いてて泣きそうになってきた切ない。

 で、肝心の二度目の人生なんですけど、いいですねえコレ。強くてニューゲームもののこういうのが読みたいねんってのがまたギッチリ詰まってる。ほんとこれを待ってたのよですよ。陛下めちゃめちゃ格好良いし可愛いじゃないっすかああああああこれはヒロイン惚れ直す?コースですよねえ手紙に「?」とか付けてさあなんだよツンデレかって思ってたら後半はさあ「?」無しですかそうですかデレましたかあああああああ好き!だいすき!
 二人が出会ってるシーンだけ読み直した尊い最高です可愛いですあああああああ好き!本当に好き!しれっと!しれっと天使とかねえ陛下しれっとねえ言うのねあああああああ好き!スミレの妖精とか言いながら抱きしめるとかずるいええズルいマジでズルいあああああああ好き!ラストねえラストを誰か映像化してねえ私の為に映像化して石油王ねえ映像化してえええええええあああああああ好き!
 最初こそ結局同じ歴史を繰り返すんか?って読んでてええええ?とか思ってたんですけどちょっとずつちょっとずつ歴史が変わっていってて本当に良かったって泣きながら読んでましたよおおおお好き。
 ラストの感動を噛みしめながらまた最初読んで陛下の内心妄想して辛くて泣いて幸せなところ読ませてええええ!ってなって無限ループですわ。なんて恐ろしい作品なの好き。

幸せと爽快さマックスな一作。

「千手學園少年探偵團」感想

「千手學園少年探偵團」感想/光文社キャラクター文庫
金子ユミ著

 すげえ。
 いっつも思うんですがこの手の、主人公は同じで事件がいくつか起こる数話で構成されてる小説を書ける方を本当に尊敬する。何を食べて生活しておられるのねえ本当に。玄米とか!?
 ということで突如失踪した本家の兄に代わって妾腹の子である主人公が名門の学校に入学して、毛色の違う野性味溢れる主人公とおぼっちゃんおぼっちゃんしたと思ってたら全然違った!こええ!という将来の日本の中核を担うであろうエリート候補少年たちが学校で起こる事件を解決していく構成なんですね、今作は。
 しょっぱなの下駄の描写が上手いなあ、こういう履き物だけで主人公の心理を出していきながら主人公の心細さと強さを表現するの細やかでいいなあ……とかしんみり思ってたらねえ、伏線だったんですね。上手い……すごい好き。最初は遠慮してたけど最終的に我を通してやらあ!って学校に慣れて呑んでかかれるようになってる主人公をさあ靴で!靴でねえ!履き物でねえ表現するのね!すげえわいいですわあ……好き。
 脇キャラクターはだいたいまあセオリーで固めてきておられてますが、大正で少年探偵でエリート校つったらむしろこれじゃないと感ですよね。あれですよラーメン屋さんに来てラーメン頼んだら正しく美味しいラーメンがきっちり出てきた感。これよ!最後にGetWildが流れるところまでお約束のCITY HUNTERと同じ。
 一つ一つの話もトリックも面白かったです。ねえ一体何を食べてはったらこんな(略)。五穀米?
 カルタの回が個人的に好き。面白かった。それから主人公の恋路(と勝手に期待)とか双子を交えた関係とか、ねえラスボスなの?彼はラスボスなの?それとも真のラスボスがいて彼は五人戦隊のブラック的な立ち位置なの?とかいろいろ妄想も考察もできる楽しい内容でした。あと裏テーマ的なものに様々な親子関係みたいなものもあるんでしょうかね。その辺の、各家庭の様々な話も織り交ぜられてて、時代背景も加わって細部まで練られた作品でした。至高のエンタテイメントをありがとうございます。いやあしかしどこからこの発想来るの?ねえ一体何を食べ(略)。ふっくりんこ?

大人の思惑に左右されながらも現状をしなやかに生きる少年がまぶしい一作。

「愛の予感に震えて」感想

「愛の予感に震えて」感想/ハーレクインプレゼンツ作家シリーズ
ペニー・ジョーダン著

 今作は基本的にヒロイン目線なんですが、ヒーロー目線で辿ってみるとですね。
 まず仮装パーティで超絶好みの女性に出会ってフラフラと魅力に引き寄せられるままに話かけてみると、相手もかなり乗り気でしかもめっちゃ可愛い。普段は絶対こんなことしないのに名前もよく分からないままでベッドインしめくるめく時間を過ごして体力使い果たして爆睡して起きたら相手が消えてた。ショックから立ち直れず、しかし仕事もあるんでとりあえず一旦脇に置いておこうやと思ったのもつかの間、新しい仕事場の部下がその女性(ヒロイン)だった。動揺してるけどなんとかどうして逃げたん?何も思うところ無かったん?て必死に聞いたらヒロインに「仕事で面倒くさいことになってたから処女を捨てたかっただけ(←照れ隠しだし動揺してるしでこれは嘘)」って言われた。
 正直この時点で、この後ヒーローがヒロインにどんだけ暴言吐こうが許そうと心に決めました。

 時々本当に洒落にならんくらい非道なヒーローを登場させるペニー・ジョーダン先生ですが、今作のヒーローはかなりいい人だったような気がする。いつも言ってますけど瞬間最大風速五十メートルを見てしまうと次の四十は平気な気がしてしまうアレかも知れませんが、ヒーローが割と良識人だったような気がする。なんだかんだとヒロインを助けてくれている。ヒロイン自身は若いのもあってか、苦手なもんがあったら一人前じゃない!と意地を張ってヤバい作家となんとか対等に仕事をしようとはしてるんですが、こればっかりはどうしようもなく、ヒーローがいろいろ手を貸してくれるんですけど素直に聞けない。ヒロインの気持ちも分かるんですが、こちらはけっこうおかん気分になってて「ヒーローの言うこと聞いたげて!てか聞きなさい!」と助言したくなる。それもあってか、今作はヒーローにそれなりに同情もしながら読んでたんですが、ヒーローもそれなりに「俺に抱かれたいんだろ?」系の台詞をぶっぱなしてくれていたのでイーブンにしておこう。そして面白かったです。
 あれでも待って最近私ペニー・ジョーダン先生の作品の感想で毎回「ヒーローが割と普通」って言ってる気がする。誰に言い訳をしているの……?

 あとぱんいち好きだけど、あのシーンではぱんつ必要ない。全裸で来い!!!

バスルームの数が毎回足りていない一作。

「愛されたくてついた嘘」感想

「愛されたくてついた嘘」感想/ハーレクインセレクト
アビー・グリーン著

 タイトルの字面は美しいが、読了して思ったのは「愛したくてついた嘘」の方がしっくりくるなということですかね。
 それはさておいて、なんとなく一度読んだような気もするんですが、自分の本棚には無かったし過去のブログでタイトル検索しても出てこなかったので(しかしこちらはたまに存在しているのにひっかかってこないこともある)、多分読んでいないんですが既視感がすごい。
 その既視感にも関わらず面白かった!ところでハーレクインさんはこの手の話で、作中で最終的に明らかにされる伏線を、冊子裏面のあらすじでさらっと暴露してくスタイルなのは何故なんだろう。何かクレームでもありましたか?
 ということで公式さんがネタバレしてるんでここでもネタバレしちゃいますが、ヒロインは妊娠中に大きな病気にかかり当時助からないと思われたので、ヒーローに黙って単身姿を消したんですが、奇跡的に助かり少し長生きできそうな状況になったんで、子供に会いに行ったらどえらい再会でどんぞこ感情からのスタートです、という冒頭。ヒロインがたまたま選んだホテルがヒーローの持ち物だったってそんな馬鹿な話はあるかい!と思うのが普通かも知れませんが、ハーレクインでは「めっちゃある」だしむしろそうでない場合に逆にどうしてホテルを購入しておかなかったのかとヒーローが責められる場合もある(無えよ)。作中にてヒーローがマジで言っていたんですけど、半分イギリス人の息子のためにとりあえずイギリスにもホテル買っておこうということで、備えあれば憂い無しにてきちんとホテルを購入していたヒーローが子供と戯れているときにヒロインに出会う。……字面がすごいな。
 アビー・グリーンさんのヒーローも大抵いろいろ拗らせていらっさることも多いんですけど、今作は他でもないヒロインが強烈なトラウマ残していったんで、ヒーローの暴言が辛いんですけど同情もする。しかしヒロインも可愛そう。ヒーローが作中にてもうこの上ない暴言やったな、というものを吐くんですが、これまた最低なりに理由があって切ない。ここは泣いた。表現が神ってる。
 しかしちょっとだけ、序盤だけ読もうと思っていたら気付いたら全部読んでた。非常に面白かった。アビー・グリーンさんでヒーローが諸事情でヒロインを誤解していて辛くあたるんやけど最終的に誤解だったあ〜って許しを請う話が好き過ぎて何冊でもいける。

アルマーニとかのスーツ着てご飯中の二歳児を抱き上げる本人は無頓着なのにスーツ警察の周りがギャー!となる一作。