「伯爵の無慈悲な選択」感想

「伯爵の無慈悲な選択/愛と背徳のローマII」感想/ハーレクインロマンス
ジュリア・ジェイムズ著

 で、前作「億万長者と愛の形見/愛と背徳のローマI」にて引っ掻き回すだけ引っ掻き回してくれた母娘の娘の方がヒロインの物語です。愛は盲目というかほんまにのう……という話だったよ。
 なして前作にて今回のヒロインが暴挙に出たかというと前作でもちょろっと語られてましたが、今作にてヒーローにフラれたんで腹いせで結婚してやらあ!という。読んでる方はまあ「お、…おう」とならざるを得んというか、可哀想だとは思うんですけどやはりこういうことをされてしまうと心の底からは同情しずらい。しかし1作目では語られなかった今作ヒロインの影の頑張りがこの2作目では出てて、そこで挽回した感はありますね。
 いやしかし、ヒロインもやらかし系でしたがそれを上回るヒーローのやらかし具合は圧巻。さすがジュリア・ジェイムズ。ぱねえ。自分からフッといていざヒロインがじゃあ他の男と結婚してやらあ!ってなって凹んでたら実はヒロイン結婚してませ~んて知り、ヒロインの元へ行くんですけど、で、やらかすんです。
 これはない。
 うーわーヒーロー。これはないで。めっちゃ引く。さすがにどうかと。まあヒロインもしでかし系なんでお似合いなの?って言えなくもないけどいや確かにこういう愛ゆえの愚行も物語を盛り上げる上手いスパイスではあるんですけどうん!
 まあそんなんでヒロイン孕っちゃいましてね。ヒロイン的にはもう黙って去りたかったんですけど、1作目ヒーローがそれはあかんでってバラしちゃって。いろいろ話が複雑にはなっていくんですけど。でもヒーローの168ページの某セリフ読んじゃった私の脳内。

 てめえ

 さすがにどん引いた。うんいやそうだね。そんだけヒロインのこと好きなんだよね。だよねだよねそうだよねうん!
 でもこんだけどうかと思うヒーローヒロインだったんですけど、どちらか選べって言われたら2作目の方がより面白かったです。うん愛ゆえにいろいろしでかしてしまうドラマチック話好きなんで当然なんですけどでも不思議。

愛は多面である一作。

「億万長者と愛の形見」感想

「億万長者と愛の形見/愛と背徳のローマI」感想/ハーレクインロマンス
ジュリア・ジェイムズ著

 ペニー・ジョーダンのヒーローも大概な殿方多いんですがジュリア・ジェイムズのヒーローも結構負けてない。スミマセん私結構アレなヒーローが好きなんです最後豪快にデレてくれるから。
 それはさておきですな。金髪碧眼スッラーという美女だいすっきなヒーローがまさにそんな外見のヒロインに出会ってオノレの春を謳歌しておったんですけど、ヒーローお父さんの遺言でいろいろややこしいことになるんですねハイ。今作シリーズもので1作目なんですけど2作目ヒロイン予定のヒーロー知人がまあ豪快な自暴自棄をかましてくれてまして、ヒロインすげえとばっちり。ヒーロー知人女性(=次回作ヒロイン)が今作ヒロインに「ヒーローは金髪碧眼好き過ぎなん知ってたけどあんた典型やな(超訳)」みたいなこと言いましてキッツー!と苦笑してしまったもんよ。それは言うたらアカンやつやで。まあその後も暴言かますかます。ヒーローはもういやんなってヒロインへの誤解はあとで解いてとりあえずこの場を治めねば!と判断して、最終的にドツボに入ります。わかる。ヒーローの気持ちはわかる。しかしめっちゃ悪手。かわいそうなヒーロー珍しく。
 後々誤解を解こうとヒーロー頑張るんですけど、再会でこれまった悪手というか、これはむしろ運が悪かったというか言葉が足りんかったというかヒロインが早合点したというか。まあツイてないヒーロー珍しくない。
 そんでも誤解が解けて蜜月再び!と思いきや、またもこんがらがる二人。でもなんとかお互い話し合って解決してですね。最後にはお互い「コミュニケーション大事よね」って言い合って笑うんですよね。
 ほんまそれ。
 コミュニケーション大事!本当に大事!大事大事って言われてるの、みんな出来てないからだと思うんよね!私も頑張る!会話大事よ!あとすぐかっと怒らないこともね!
 とか言ってたらダークフォースかーちゃんがさらっと魔法の杖で万事解決してて最後のはさすがにちょっとえ?って思ってしまったっすよ。

冷静に会話することが本当に大事ですよという一作。

「少年王の嫁」感想

「少年王の嫁」感想/メリッサ文庫
藍井恵著

 ゆる王族系のロマンスでほとんど気を張らずに読める上に楽しかった。ほぼギャグなんですけど、みんなキャラが立ってて好き。ネタにネタを重ねてきてここで披露していきたいけどネタバレすぎるんで我慢します。
 しょっぱなのヒロインとヒロインの義姉の会話でもう顔が笑いで緩む。ヒロインが知識のひずみに居ることに気付くもヒロインの性格から黙っておいたほうがええわと流れに任せる義姉。天才か! しかしこの義姉、このときなかなか辛い立場だったことが後に判明しますますファンになったワイ。極めつけが某所にて自分の弟に「ヒロインがなんとかしてくれる」と言ってたあのシーン。さらっと、しかもちょっと冗談っぽく書いてましたけどめっちゃいい友情じゃん!?素敵ぃぃぃぃぃ!って感動した。雑な言い方したら義姉小姑って関係だけど、ほんわかした関係を築いてていいわあ~って読んでました。
 まあそんなよき関係を義姉とも続けられるヒロイン、ヒーローに見初められ結婚するんだけど、これまったヒーローがよい性格をしててイイ。ヒロインに対しなんだってあっちと俺とで比べてすぐ返事できんねんなんだって悩むどこで悩む!とキレまくってて噴いた。わかる。わかるけどヒロインが悩んでたのもわかる。こんな調子でずっとコミカル路線で進んでいくんで楽しかったです。ツボった。
 しかし諸事情で真の床入りは日延べしていた二人。ヒロインはともかくヒーローは欲求不満で辛いんで運動で昇華すると。
 対処が健全過ぎて眩しい
 ちょ、待てよ!ムーンライトノベルズ派生でなんでそんなに健全なんだよ!いや嘘です健全じゃない!むしろアレだ焦らしプ◯◇!めっちゃ待ったわ(読者が)!待った甲斐が有ったわ!ほぼギャグやったのにあそこすげえいいシーンでした。好きです。
 王家知識のひずみ多過ぎ問題も好き。いや多分あの二人だけだから!多分!

ヒロインが震えまくる一作。

「吐息に灼かれて」感想

「吐息に灼かれて」感想/MIRA文庫
リンダ・ハワード著

 シリーズもの2作目なんだと思うんですけど、1作目でそこそこ主要キャラだった人が2作目で意外なことになってて読みながら素で「エッ?」とか声を上げてしまった。
 ということでゲームですげえ高得点とってやったらえらい部署に配属になってしまったヒロインの話なんですけど、格ゲー全盛期の頃に格ゲーだいすっきだったけど全然下手くそだった私からしたらそういうゲームで高得点取れる人はマジで尊敬してしまう。ということでしょっぱなから私の尊敬をしょいまくったヒロインなんですけど、いやはや本当に尊敬する。私なら無理っていう。いやヒロインも言ってたな。全然相手にされてなかったけど。そんなんでいろいろ意地もあって仕事を続ける努力を怠らないヒロインで、心の底から眩しい。正直彼女くらいガッツのある人間になりたい。本当になりたい。そしてまあ、人間関係においても努力しようとしてるのよね。いろいろあるけど。主にヒーローと。
 主役二人は出会ってすぐに惹かれ合うんだけど、メンバー内で付き合ったらややこしいことになるから恋愛はしたくないけど、ヒロインといい仲にもなりたいヒーローは、なんとかヒロインに仕事辞めてもらいたくて、でも卑怯な真似はしたくなくて、すげえ厳しく接してしまうけど、でもたまにポロっと本心とか漏らしちゃったり態度に出しちゃたりとかなかなか憎めない。かたやヒロインも頑固で、ヒーローの行動にいろいろ反応してしまってこじれて面白い。
 とかにぎやかなテイストで話は進んでいくんですけどやっぱりロマサスなんでヒロインにどえらい出来事が起こってしまいあわわな展開に。リンダ・ハワードはこの辺のハードボイルド路線の設定とか作るの上手いよなあ~っていつも感心してしまう。入念な取材力もあるんだろうけど、それを生かした構成も素晴らしいですよね。
 続編も出るのかな? 楽しみです。

ジレンマにジレンマ重ねていく一作。

「完璧主義男に迫られています」感想

「完璧主義男に迫られています」感想/富士見L文庫
桜川ヒロ著

 本日の感想には若干のネタバレが含まれております。

 なんというかタイトルだけでイエス!と叫べる感?これほど的確に読者の(私の)ツボを突いてくるタイトルは今まで有っただろうか。そして帯!さらに重ねがけしてくる帯!完全に「いや買わない」という気分を殺しにくる仕様!恐れ入る。
 ということでまあ読み始めたんですけど、こういうヒーローってなんで愛おしいんですかね、実際三次元で隣におったら確実に近寄らないに違いないのに二次元だと(しかも他人の恋愛なら)溢れるワクワク感。萌える。そうですね私はドラクエ8のマルチェロ兄さんも大好きです現実に同じ仕事場におったら嫌だけど。そして三次元であれば我々の抱くであろうイヤイヤ感を全面に押し出してるヒロイン!でーすぅーよーねー!だが待たれよ!きちんと丁寧に進むロマンス!しかもいい塩梅のヒーロー像!プラス眼鏡スーツ!!!
 あとヒロイン!仕事できるのに私生活と感情隙だらけでかわええ!いちいちヒーローに対してかわええ!他の同僚には塩対応なのにヒーローに対してだけ山椒対応かよ!イエス!
 ロマンスもモリモリ楽しめるんですけど、伏線もめっさ効いてる。あれがこうなってここでそうなってラストはこう!というピラゴラスイッチが素晴らしいです。

 今作はヒロインの元カレが出るんですよね。で、一度目読んだときは某所にて、その元カレからかかってきた電話に対して読みながら特になんとも思わんかったんですけど、全て明らかになり二度目読んだらその電話が非常にやべえことに気付きましてね。こええよ!
 あとヒーローに近しい某女子がビール片手に出た時にヒロインが「こういう状況じゃなかったら仲良くなれそうな気がする(超訳)」って思ってたの好き。わかりみ~。

珈琲飲みたくなった一作。

「孤高の王のあやまち」感想

「孤高の王のあやまち」感想/ハーレクインロマンス
アビー・グリーン著

 日本でも皇族の方が妙齢になられ結婚の話題が出ているいまこのときの状況を思うと、ヒーローの最初の選択は理解できなくはない。現実問題、これはフィクションなんでめでたしめでたしで終わったけど、現実であれば後世までバッシングされたのではなかろうかと。
 しかし繰り返しますがこの話はフィクションなんで、物語の中くらいめでたしで終わったらええやん!と思う。むしろそうであってほしいというか。ご都合主義とか現実から目を背けてるとかそういうこと言われても、フィクションくらいこういうロマンス読ませてクレヨンと思う。
 ということで王族ヒーローが、ヒロインの過去のスキャンダルを第三者から知らされて一旦別れたものの、忘れられなくて、再度近づけるネタができたんで再会したったーという序盤から始まる話です。そんなんで若干ヒーローが身勝手な気もしなくもないんですけど、冒頭に述べた通り国を背負っておりますので、国民感情とかも考慮したいのも分かる。とは言ってもヒーロー自身はヒロインの過去よりそれを黙ってた方にキレてたんで、私の最初の言いようはちょっと筋違いかも知れません。
 いやーでも、今作ヒロインは、読者には最初からわかるんですけどヒーローに重大なことを黙っててですね、これがいつヒーローに知れるのかと、ドキドキしながら読んでるわけですよ。ほんとアビー・グリーンはこういう貯めがめっさ上手なんですよ。いつ!いつ箱が開けられる!?うっうっ……っかー!開いたあああああああ!みたいな高揚感が爽快です。やみつきです。楽しいです。
 これまたスピンオフ出しますよ!という伏線もモリモリ入ってて楽しみすぎまする。

黒ひげ危機一髪的な一作。

「女神官と青い目の男」感想

「女神官と青い目の男」感想/ハニー文庫
夏井由依著

 「初夜」のスピンオフで、かの作品にて強烈な男前振りを読者に植え付けて颯爽と投げキスをして(してない)去って行った彼がヒーローになって帰ってきました。
 飄々とした遊び人っぽいヒーローが、これまった深くて熱い情をヒロインにというか読者に見せ(魅せ)まくっていてうああああアン素敵ですう!と悶えまくって読んでおりました。なんというか前作にて最高潮に高まってた期待を裏切らないヒーロー像にただ魅了されるばかりです。ええ男やぁ。
 今作も政治面にていろいろきな臭い部分がありつつも、それを踏み越えてもう一つ伏線が用意されてて、物語の筋も面白かったです。そしてなんといってもヒロインの心情が細やかに描かれてて素敵でした。ヒロインの両親のエピソードとか義理のお母さんとの話とか、でもってその結果ヒロインの現状とか、さっき述べた政治面とも関わって綿密に描かれてまして、楽しみました。で!肝心のロマンス部分もなんというか最高でしたよ(語彙)!!!ヒロイン!かわいい!こんなん!ヒーローでなくても惚れる!神官様らしくちょっと浮世離れしてたりしっかりしてたり天然だったり、ヒロインの個性も丁寧に描かれてます。その上での、ヒーローへの情とか葛藤とか後悔とか、相変わらずみずみずしい表現で読ませてもらえていや本当に楽しかった。最後にヒロインがヒーローの元へ向かう場面とか好き。好きすぎる!
 それから前作「初夜」のヒロイン、ネフェルアセト様だいすっきな私には終章はご褒美が過ぎました。尊い……推しが尊くて息が辛い……。尊すぎてまた「初夜」読んでる……無限ループ……

お猫様を崇める一作。