「朝まではこのままで」感想

「朝まではこのままで」感想/二見書房
シャノン・マッケナ著

 8作目になりヒーローの特異性がインフレしつつありますので、1作目のヒーローがめっちゃ普通ですやん!となってきた。そして安定の練られたロマサス。読む前は「いやああああこわいいいいい」ってなるのに読み終わったら「次回作はよ!」と興奮しているのも常。
 個人的に、サスペンス部分の恐ろしさは5作目が最高潮だったのか、あれ以来ページめくるの怖すぎってことはさほどなくなったけど怖かった。プロローグから怖い。いつもだけど怖い。読者の不安をあおるのうますぎ。あと最初の恐怖すら伏線に使いよる構成がもう神かと。毎回言っておりますが神かと。
 今作のヒーローは、前回作にてマクラウド兄弟を失意のどん底に陥れたにも関わらず本人は「そのくらいの作業でおんなのこのテンション上がってくれたらめっちゃコスパよくね?(超訳)」とだめ押しをかましてくれた根っからのおんなのこ大好き君なのです。前回にも過去がちらっと出てきてましたが、今作にはそれがさらに深く掘り下げられて帰ってきてます。そしてヒロインの状況と重なって進んでいくサスペンスとロマンス……おもしろい……ページめくる手が止まらん……こうね、そういうの現代の科学でまあできるって部分とここから先は完全創作ですよ、って部分の組み合わせというか混ぜ具合がほんとうに上手い。ある程度の創作は必要で、メイン設定の部分が少々荒唐無稽に思えるものだとしても、普段というか地の部分でしっかり現実のものの描写ができていれば、メインも受け入れられ生かされる感じがします。私は、土台設定で微妙な間違いがあったらちと萎えるタイプ。身内に同じ質問をしてみたら話が面白かったらそこは気にしないとも言い、それは確かにとも思う。確かに、よくネットで言われるジャガイモ問題とか、私はそもそも詳しくないのでジャガイモ存在しない時代にキャラがジャガイモ食べてても全然気にはならないけど、電子顕微鏡をポンポン屋外に持ち出され(そして使われない)たらめっちゃ気になる。つうことで、個人の知識差もあるし、全員納得させる話なんて作れない。それでも作者には読者をどこまで上手く「乗せられる」かという力量も必要だと思ってて、シャノン・マッケナさんはそういういい意味でのハッタリもめっちゃ上手いな、と思ってます。

 今回特記
・セス……名前だけ!でも名前だけでも……登場した!!!
・「バーボンにする?」←最高。笑ってないのもミソ。
・ヴァルの相変わらずの圧倒的イケメン感。でもよっわ!
・わかるロシアとウクライナとベラルーシの女子は妖精
・フォースと共にあらんことを←ネタバレ

夢でうなされてる屈強な男子に近寄るべからずという一作。
てか次回!もう買ってるけど遠い!最終巻出たらもう全部まとめて買う!!!!!

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