「ふたりの愛をたしかめて」感想

「ふたりの愛をたしかめて」感想/二見書房
クリスティン・アシュリー著

 あくまで個人の意見なんですが、こちらクリスティン・アシュリーのドリームマンシリーズは、「ロマンス小説大好きだけどロマサスはそんなに読んだこと無くてでもちょっと興味はあるけどどれから読めばいいのか分からない」という方に勧めたい。……というかそういう方っておられるの?皆さんなんだかんだロマサス読むよね?という疑問はありますが。
 なんというかね、1作目から思ってたんですけど、難しいサスペンス部分を非常に上手くぼかして、小難しさを感じさせずでもサスペンスも十分に楽しませてくれる感あります。対比としてリンダ・ハワードとかシャノン・マッケナのマクラウド兄弟シリーズとか、結構ガッツリロマンスありなんですけど、サスペンス部分もかなり掘ってあって読み応えすごいんですが、いかんせん、本当にかなりガッツリ書いておられるんで、慣れてないと置いていかれる場合もあるのではないか?と思うこともある。
 そして一方でこちらドリームマンシリーズは、サスペンス部分がね、割とさらっとというか、そう気合い入れて読まなくても入ってくるのね。そういう意味で、ロマサス初心者からロマサス大好き層まで幅広く勧められるな、と思っております。
 そもそもドリームマンシリーズはどうも家族の絆とかがメインテーマなんだろうな、というのもあって。そこも入りやすいと思うです。

 で、今作は珍しいちょっと年齢層高めカプが主役でして。最初通常、というか平均年齢くらいので読んでたんですけど、実年齢が表記されてるの見て二度見した。だからと言って枯れてもなく熱すぎずもなく、こうね、言葉の扱い方も軽快で素晴らしい。1作目からそうだったけどもう素敵なんですよ。前回も言ったけど訳者さんのお力もすごいですよ。楽しいです。そもそも英語読めないんですけど、原著を読めないつらさはあるけど、読めたとしても素敵な日本語に脳内で変換とか絶対無理なんで、こうした美しく洗練された日本語で楽しめるのもまた一興だと思っております。
 話が逸れましたな。
 てなもんで、いろいろあって酸いも甘いも知った主役二人が、運命的?に出会って愛を育んでいく話でして、そこから家族愛とかも絡んで素敵なお話になっております。しかし個人的に超ツボったのは主役の言葉でなく脇既婚者の「幸運なのは俺のほう」でした。ええ台詞よ……。
 確かにものすごい俺様系ヒーローではあるんですけど、根っこでナチュラルにパートナーの女性=ヒロインを尊重してて、譲れないところは譲れない!ってしっかり言うには言うんですけど、妥協案を見いだす為に話も聞いてくれるというね、なるほどドリームマンだよね……。
 あとラスト。スカっとしたっす。なんというかヒーローの為にってので泣かせるよね。エピローグとか泣きっぱなしだったよ。
 続きも待っております。

大切な人のために強くなれる一作。

「結婚という名の檻の中で」感想

「結婚という名の檻の中で」感想/ハーレクインロマンス
ジュリア・ジェイムズ著

 え、ええ、えー、あ、え、えええええー?という感じの内容かなあ。
 設定はもうどストライクでさあ、もう一、二位を争うくらいの大好物設定なんでさあ、それ故に盛り上がってから後半の両主役の心情に「え?」と戸惑いを隠せなかった。いやーヒロインもヒーローもちょっと気持ちブレてなかったかなぁ〜?なんつうかこうしっくりこなかった。もしかしたら三ヶ月後くらいに再読したらハマるパターンの可能性もある。設定が好きなんで。
 割と終盤の締めも好きなので、それ故に中程の、ヒロインとヒーローの気持ちがなんかこう意味が汲みにくいというか感情移入しづらかった。だってヒーローは最初からトロフィーワイフでいいんで、って言ってるし、ヒロインの「友達に戻ろ?」ってのもえええ?という感じで。ヒロインが序盤に弁護士さんに言われたのはこれか〜ってのもなんだか共感できんかったです。
 いやでも、本当にこれ設定どストライクの政略結婚ものなんで、しかもジュリア・ジェイムズだったんで、それ故に私の中でハードル上がってた可能性もあります。他の作家さんだったら案外楽しんだかも。むずかしいぜ。
 ちなみにヒーローに胸毛は無かったです。

案外純情ヒーローだった一作。

「十代のころ」感想

「十代のころ」感想/ハーレクイン文庫
ペニー・ジョーダン著

 自分でも何故かさっぱりわからないんですけどペニー・ジョーダンが好き過ぎてもうなんでもおもろい。今作も面白かった。

 ヒロインが17歳のときに、ヒーローが別の女性と婚約したんすけど、ヒロインはヒーローが好き過ぎてその婚約をブチ壊そうと画策し、ヒロインは「私とヒーローは深い仲っす!」とおじいちゃんに大ボラこいたらヒーロー激怒。ヒーローが「出てけ!」ってヒロインに怒鳴って、ヒロイン「私ってばなんてことを……!」と怖くなって家出。ペニー・ジョーダンのヒロイン、たまにこうしてものっそい行動力あり過ぎてやっばいな、てのが出現するんですけど、深く考えたら本当にヒロインやべえな。たまたまものすごいいい人に拾ってもらえて普通に生活してたけど、ほんっと奇跡だからね!とは思うものの、フィクションだし面白いので深く考えない!むしろどんとこい!ちょう楽しい!と思える。ペニー・ジョーダンがすごいのか私の愛がすごいのか。
 それはさておき、そうして若い自分に暴挙に出たヒロインは十割の確率でおとなしい大人になっててしかも盛大に拗らせてるからかなり面倒臭い大人になってて、なんというかそこが美味しいんですよ!伝わりますかね!この面倒くささ!この大人の分別ついちゃってるからそれこそ十代の頃のように「好きなんじゃああ!」とがぶり寄れず、むしろ「この愛を知られたら死ぬ!!!」くらいの後ろ向きっぷりが面白い。素直になれずフガフガお互いキレながら回り道してるのが面白い。
 そして、好きだからだと思うんすけど(というかそうなんですけど)、ヒロインの一挙一動にものっそい敏感に反応してキレたりキレたりときめいたりするヒーローさんは、これまったペニー・ジョーダンのヒーローにありがちなんですけど、興味のない女性に対しては好きなようにさせておく振り幅がすごい。もう心の底からどうでもいいってのがいつも出てて笑う。それが裏目に出てライバル性悪女にヒロイン騙されるんですけど。
 今作はラストまでの展開もよかった。たまに第三者のやや強引な介入があったりもするんですけど、今回はヒロインがもう言わねばならんこと言おう!と決心したのが素晴らしかった。なにげに従姉妹がいいキャラで楽しかったです。

若い頃ってそんなもんだから気にしないでいいよ、という一作。

「竜王サマ、この結婚はなかったことにしてください!2」感想

「竜王サマ、この結婚はなかったことにしてください!2」感想/ビーズログ文庫
葛城阿高著

 ああああん続きが気になったので一気に読んでしまいました面白かった!3巻はよ!!!

 前作で冷遇されまくっていたヒロインが、今作は普通な職場に異動になっててホッとした豆腐メンタルなわたくしですが、主役二人の距離も縮まっておりましたな!血が!流血が少しなくなってる!慣れてきてる!さすができる男は違う!さすがソフト(当方比)変態ヒーロー!
 いや、変態さんかもですけどヒーロー、めっちゃいい、イケメン内外ともイケメン……素敵すぎる。冷遇されまくってたヒロインにいろいろ癒しがあって本当に嬉しい……(感想がおかん)。ヒロインをスイーツで甘やかすヒーロー……個人的にツボ設定なの……こうさ、大人ヒーローがヒロインを食べ物で甘やかしてさあ……ヒロインの可愛い笑みとか眺めて悦に入ってるアレ……最高ですやん……動悸がぁ〜。プラス贈り物でさあ……渡すシーンがえろかわいい。好き。萌え殺しにきたねこのひとは!私を狙い撃ちにしにきたね!と思いながら読んでたさあ。楽しかったさあデート。デートはいいよみんなデート書こう(描こう)。
 そして今作はとうとうヒロインが自覚しまして、アレを自覚しまして!ありがとう!二巻ありがとう!待ってた!もしかしたらヒーローより待ってた!
 ラスト!きゃわえええ!あのヒロインのセリフ!いいに決まってるだろぉぉぉぉぉぉ!ヒーローを、いや読者を萌え殺しにきてるね!ごめんねおんなじこと二回言ってるね大事だからね!
 あとなんだかんだとヒロインのツッコミが面白くて次どうやってくんの?ってのも楽しみました。

ヒーローの怒涛の甘やかしが一番カロリー高かった一作。

「竜王サマ、この結婚はなかったことにしてください!」感想

「竜王サマ、この結婚はなかったことにしてください!」感想/ビーズログ文庫
葛城阿高著

 ヒロインの相手(=ヒーロー)以外の登場人物全てがヒロインに対し悪意しか持ってないという(理由はあるんですけど)、ものすごい振り切れた内容でしたね。設定がかなりシビアなんですが、ヒロインとヒーローの語り口調とかヒロインの内心とか、作者さんの技量だと思うんですけどカラっと明るく書いてあるので悲壮さがあまり感じない。さすがです。
 というか申し訳ない!こちらの作者様のお話、いくつか拝読しておりますが、これまで出会った主役さんたちがかなりキワっておられたので、今作のヒーローについては「割とおとなしめだな、レーベルのカラーなのかな?」とか思ってしまいました!すでに私が川の向こうに居た!やべえ!ヒーローと同じカテゴリ!やったー!!!(絶対に違う)
 ということで出会った瞬間にヒロインに求婚するし、しかも流血もしちゃうよ!興奮で!という我らがソフト(当方比)変態さんヒーローがツッコミ担当のヒロインと愛を育んでいく話でした。いやなんつうかね、迫ってる部分のコミカル部分も楽しくて好きなんですが、某所で某標本見ながら二人が接近するシーンがいい。静動でいったら表面は静なんですけど、心理面でガっ!と動に移るトキメキシーン、あそこも大好き。ギャップ?その差も素敵。うまいっすよね、変態!ってヒロインが忌避しているヒーローがフッと真面目な顔を見せるんですよ、ずるい。これは落ちるだろ、という部分を作っておいての続きっすよ。うまい。好き。
 でもって今作は相当えぐいなあと思う部分もあったりもしましたが、なんというか、最初にも言いましたが両主役のかけあいとか行動とかのコミカルさでバランスあって、こう重くなりすぎないエンドでよかったです。

出会いは一時の絆、再会で一生の絆、な一作。

「愛は暗闇のかなたに」感想

「愛は暗闇のかなたに」感想/二見書房
クリスティーナ・ドット著

 こちらロマサスかどうかと聞かれればうーんと悩んでしまいますが、サスペンスとしてはかなりオススメです。そんなんですが、サスペンスはいつも読んでいるけど、ロマンスにもちょっと興味ある、って方に是非勧めたいかといえば……それはそでれ悩む。
 いやね、帯にあった通り、もう先が気になって気になって展開凄くて面白いです。平凡なヒロインかどうかはそれぞれ思うところもあるでしょうが、というのも同じ目に遭ったら私は確実に某所にて脱出する前に死んだだろうので、そういう意味でもヒロインがどこにでもいる女性ってのは疑問ですが、さし引いてももう本当に先が気になるハラハラな物語でした。
 基本、ヒロインがすっげえいい人なのよ。で、それがたまに仇になってて、すんごい切ない。これまったお父様の教育のたまもの?なのかな?それがますます切ない。いやあなたも大変だからね?って思うんだけどそれでも行動しちゃうヒロイン。いや、でも最後の展開思うと、単なる善意だけでもなかったかも?ってんで、なんつうか深読みするのもまた楽し、かもですなコレ。
 シリーズものなんですが、前半最後あたりで前作に関係するネタも出てくるんですが、そこまでヒロインが休まる暇が無くてですね、ページめくる手がとまらんのですよ。で、ヒロインがちょっと安心できる場所に来たってんで読んでる方もちょっと肩の力を抜いて読めるんです。しかしそこからつまんないかといえば全然そんなことはなく!普通の生活も普通におもろい。さすがクリスティーナ・ドット!
 とにかくサスペンス部分の構成が素晴らしく、がっつりとしたサスペンス読みたいって方にはもう本当にオススメしたいんですこちら。なんというかねえ、ギャー!ヒロインどうなんのよ!って思いつつも、割と序盤であ、そういうことなのね、という若干の救い?ネタバレ?も出して来てこの辺塩梅が神ってますよ!ただ惜しむらくは、その最初の方にはあったカタルシスが終盤には無くなってたとこかな?
 相変わらず脇も魅力的で素晴らしいんです。しかしこのシリーズ。ロマンス要素ほぼ無い。でもその淡白さもまた良し、と思っております。うまく伝えられるかわからないんですけど、今シリーズのサスペンスの練られた勢いでロマンス部分もやられると濃すぎな気がする。ただ、この作者のロマンスの素敵さを知っておる身としては、あのロマンスっぷりも懐かしいなあ読みたいなあと思ってしまう。なかなか罪なシリーズ。

一瞬にして人生詰んだ(かもしんない)一作。